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日本株展望

ブレグジット可決で世界の株が急落--日本株は下げ過ぎ? - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-06-27 11:49

今日からすぐに英国がEU離脱するわけではない

 ブレグジットが英国の国民投票で決まったが、実際に英国がEUから離脱するのは早くても2年後だ。それまでは、EUと英国の間には、現在の経済関係が維持される。英国がEUに対して、離脱を通告してから2年後となる。英国がEUに通告するのが遅れれば、それだけ離脱の時期が遅れてくる。

 英国では、ブレグジット可決を受け、EU離脱に反対していたスコットランドに英国からの独立を再検討する動きがある。北アイルランドも、英国からの独立を検討する可能性がある。また、可能性は低いが、同じくEU残留を望んでいた首都ロンドン市自体が、英国から独立するとの話すら出ている。

 ブレグジット賛成派が過半数を取ったとはいえ、英国はブレグジット反対派の意見も聞き、今後のEUとの付き合い方をどうするか慎重に検討しなければならない。基本方針が決まらないと、EUに離脱通告ができない。早ければ10月にも離脱を通告するという見方もあるが、英国内の意見統一ができないと通告はさらに遅くなる可能性もある。

 英国がEUに離脱を通告した後、EUと離脱の条件を話し合うことになる。英国もEUも、双方にとって、相互の経済関係が希薄になることはダメージになる。本音では、英国とEUの自由貿易協定はそのまま継続することが、英国にとってもEUにとっても得策であることは明らかだ。

 ただし、EUを離脱しても、自由貿易の恩恵がそのまま残るとなると、英国にならってEUを離脱する国がEU内の主要国に増えかねない。EUと、人・モノが自由に行き来する恩恵を、英国にそのまま与えるわけにはいかないのだ。

 英国にとっても、EUと何を交渉すべきか、国内で簡単に意思統一できない。移民の制限は必要という考えがありつつ、人の行き来が自由にできなくなるダメージが大きいこともわかっている。移民に対する不満がありながら、移民が低賃金労働者として英国経済を支えている構造もある。

 英国にとってもEUにとっても、難しい交渉となり、英国の完全な離脱に2年どころか5年以上かかるという説まで出ている。すぐにも英国がEUを離脱して、すぐに世界経済にダメージが及ぶというイメージは、過剰だった可能性がある。

 ただし、長期的にEUという仕組みが維持できなくなる可能性が出てきていることは重大な問題だ。英国はEUに加盟していたが、共通通貨ユーロには入らなかった。だからEU離脱を決断できた。

 ところが、自国通貨を廃止して共通通貨ユーロを導入したEU諸国は、簡単にEUを離脱できない。通貨を自国通貨に戻すコストがあまりに大きいからだ。ただし、共通通貨ユーロにも重大な問題が残る。

 経済力の弱い国(PIIGS)が、ドイツの信用によって支えられた通貨ユーロを使うことで、赤字体質が改善されないという問題がある。そのため、EUは、財務体質の弱い国に緊縮財政を要請している。ところが、PIIGS諸国にはEUから押し付けられる緊縮財政に反対する勢力が拡大しつつある。

 EUを支える国も、支えられる国もともにEUに不満を持つ現状が続くと、EUそのものの崩壊につながる可能性は否定できない。ただし、それはすぐに起こることではなく、10年以上先になるだろう。

日本株投資をどう考えるべきか?

 ブレグジットは、英国や欧州に進出している日本企業に悪影響を及ぼす可能性があるが、それは、すぐに起こることではない。それよりも、円高が急伸した影響が重いと考えられる。ブレグジットにより、米国FRBは6月に利上げができなかった。7月も利上げできず、年内利上げができないとなると、1ドル100円前後の円高が定着する可能性もある。

 円高定着で、業績の下方修正リスクが高まってきたことが、日本株の上値を抑える。日本株は年初来、主要国の中で一番大きく下げており、ここからの下値が大きいとは考えられないが、それでも当面上値は重いと考えられる。

 当面、投資する場合は、円高や世界経済の影響を受けにくい好業績株や、好配当利回り株にしぼった方がいいと思われる。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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