スケールアウトとQoSがクラウド向けストレージの要--ネットアップ - (page 2)

日川佳三

2016-06-28 07:15

スケールアウト構成のCASストレージでQoSを実現

 説明会では、ソリッドファイアー事業部でSEリード&テクノカルアカウントマネージャーを務める松浦敦氏が、NetApp SolidFireの製品技術を解説した。

 スケールアウト構成のストレージであり、サーバからのiSCSIのアクセスを各ノードにリダイレクトする手法によってデータパスを分散させている。ノードはオンラインで増設と切り離しが可能。ノードを追加すると、データをノード間で移動させるリバランスによって、各ノードの負荷を均質化する。負荷の均質化は、QoSを実現する上で必要な要素になる。

 ノードの切り離しも可能で、いったんデータを他のノードに移動させてから切り離す。こうした処理をAPIやウェブ画面で実施できる。ノードの切り離しは需要が高く、例えば「余力があるデータセンターAからノードを切り離し、余力のないデータセンターBにノードを追加する」といった運用が簡単にできる。

 オンラインでノードを切り離したり追加したりできることは、OSのアップデートにも都合がよい。1台ごと順番に切り離してOSを更新するローリングアップデートができるからだ。小さな負担で、常に最新版のOSを使うことができる。実際に「NetApp SolidFireの顧客の87%は、最新OSを使っている」(松浦氏)という。

 「ブロックデータとメタデータの関係を疎にしていることがNetApp SolidFireのキモ」と松浦氏は言う。いわゆるCAS(Content Addressed Storage)と同じ手法でデータを配置する。ボリュームはメタデータだけを管理していればよく、データの物理的な場所を管理する必要がない。

 NetApp SolidFireではまず、データを4Kバイトのブロックに分割する。ブロックのハッシュ値をブロックIDとして使う。ブロックIDによってブロックの配置が決まる。これまで書き込んだことのない(重複していない)データの場合は、データを1ペア(2個)に複製し、異なるノードに分散して書き込む。いったん書き込みキャッシュ上にデータを貯め、1Mバイト単位でSSDに書き込む。

NetApp SolidFireのデータ管理手法を説明。ネットアップ、ソリッドファイアー事業部、SEリード&テクノカルアカウントマネージャーの松浦敦氏
NetApp SolidFireのデータ管理手法を説明。ネットアップ、ソリッドファイアー事業部、SEリード&テクノカルアカウントマネージャーの松浦敦氏

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