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費用を億単位で削減--ソフトバンクが2つのデータセンターを仮想統合した意味

日川佳三

2016-07-11 06:00

 ビジネスとシステムはクルマの両輪であり、ビジネスの成長にあわせてシステムを更新、拡張できるのがベストだ。だが、年間のIT投資額は決まっている。決められた投資額で稼働中のシステム資産を有効活用することもIT部門の仕事だ。

 ソフトバンクは2014年の夏から冬にかけて、2つの主要なデータセンターをまたがったフラットなレイヤ2(L2)ネットワークを構築した。「イーサネットファブリックならサーバ増設時にスイッチを簡単に付け足せる。データセンター間でリソースを共有できたので回線費用も億単位で削減できた」という。

 ソフトバンクは課題を抱えていた。社内向け業務システムを置いている2カ所の主要データセンターの両方で、ラックや設備、回線などのリソース(資源)が枯渇していたのだ。情報システム基盤を再構築するタイミングだったが、データセンターのリソースが枯渇した状態では着手できない状況だった。

 解決策として、2カ所のデータセンター間を専用回線でつなぎ、ネットワーク機器が備えるイーサネットファブリック技術を使って仮想的に1つのデータセンターを形成した(図1)。それぞれの拠点のL2ネットワークをL2のまま延伸してフラットで巨大なL2ネットワークを形成することによって、互いのリソースを共有できるようにしたのだ。

図1:2カ所の主要データセンタを束ねて1つの巨大な仮想データセンタを形成した。要素技術としてイーサネットファブリックを構築できるスイッチを採用した(ソフトバンク提供)
図1:2カ所の主要データセンタを束ねて1つの巨大な仮想データセンタを形成した。要素技術としてイーサネットファブリックを構築できるスイッチを採用した(ソフトバンク提供)
ソフトバンク システム基盤本部 ネットワーク統括部 ネットワーク部 データセンターネットワーク課 浜田健一氏
ソフトバンク システム基盤本部 ネットワーク統括部 ネットワーク部 データセンターネットワーク課 浜田健一氏

 大きな効果が得られた。2カ所のデータセンターにおいてリソースが枯渇するタイミングを遅らせることができた。中でも特に、回線投資を大きく抑えることができた。片方のデータセンターに引かれていたインターネット接続回線を解約し、まだ余裕があったもう片方の回線に一本化したのだ。

 「10Gbpsのインターネット回線を引くと億単位の投資になる。データセンターのリソースを共有化すれば回線1本で済むので、億単位の費用を抑制できた」。ソフトバンクでシステム基盤本部 ネットワーク統括部 ネットワーク部 データセンターネットワーク課に所属する浜田健一氏はこう振り返る。

主要データセンター2カ所でリソースが枯渇

 今回ソフトバンクが1つの仮想データセンターに統合した2カ所のデータセンターは、社内業務システムの8割をカバーしている重要なデータセンターで関東圏内にある。

 リソースは、両方のデータセンターで枯渇していた(図2)。片方では、インターネット接続回線の帯域は余っているが、電源や空調やラックに余裕が無かった。もう片方では、電源や空調やラックは余っているが、インターネット接続回線の帯域が不足していた。

図2:2カ所のデータセンターは、それぞれ回線やファシリティなどのリソースが枯渇していた。データセンターを統合してリソースを共有すれば、リソース枯渇のタイミングを遅らせることができる(ソフトバンク提供)
図2:2カ所のデータセンターは、それぞれ回線やファシリティなどのリソースが枯渇していた。データセンターを統合してリソースを共有すれば、リソース枯渇のタイミングを遅らせることができる(ソフトバンク提供)

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