本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、日本マイクロソフトの佐藤久 業務執行役員と、豊橋技術科学大学の原邦彦 副学長の発言を紹介する。
「データベースソフトのシェアは保守料を除けば当社がトップだ」 (日本マイクロソフト 佐藤久 業務執行役員)
日本マイクロソフトの佐藤久 業務執行役員
日本マイクロソフトが先ごろ、データベースソフトの新版「SQL Server 2016」の拡販に向けたパートナー施策について記者説明会を開いた。同社の業務執行役員でマーケティング&オペレーションズ クラウド&エンタープライズビジネス本部長を務める佐藤氏の冒頭の発言は、その会見の質疑応答で、データベースソフトの国内売上金額シェアでトップを取れない理由を問われた際に答えたものである。
SQL Server 2016は、マイクロソフトが6月1日に国内で販売開始したデータベースソフトの最新製品。販売開始に先駆け、今年4月には「Oracle Database」をはじめとする競合他社のデータベースソフトからの乗り換えを促進する移行支援プログラムを発表しており、今回の発表が拡販策の第2弾となる。
会見の内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは筆者が興味深く感じたパートナー施策と、シェアをめぐる質疑応答の内容について取り上げておきたい。
筆者が興味深く感じたパートナー施策は「SQL Server 2016 SSD Appliance」と呼ぶもので、パートナーが手掛けるSSD搭載サーバにSQL Server 2016をプリインストールし、ワンストップサービスとしてユーザーに提供する仕組みだ。現時点で11社がハイエンドモデル、10社がエントリーモデルをラインアップしている。
ハイエンドモデルは11社がラインアップしている(出典:日本マイクロソフトの資料)
佐藤氏によると、「いわばOracle Exadataと同じコンセプトの製品をパートナー各社と協力して展開する施策。コストパフォーマンスではどこにも負けない」という。サーバを手掛けていないマイクロソフトならではの戦略である。