実際、LibreItaliaは2015年の秋、LibreOfficeのエバンジェリストを育成するために国防省の職員30名の訓練を実施した。またこれらの職員が、ユーザーに対する新たなソフトウェア支援窓口となるITスタッフを教育する際に協力もした。
国防省は軍の訓練センターのリソースも活用した。また、LibreItaliaのボランティアは対価の支払いはおろか、旅費の請求もしなかった。Sileo氏によると「訓練活動にコストは一切かからなかった」という。
実際のところ国防省によると、移行全体で見ても追加投資は、「Microsoft Word 2010」やその他のワープロアプリでODTフォーマットを読み込めるようにするための、ドキュメント管理ソフトウェアのアップグレードに対する4万5000ユーロ(5万ドル)のみだったという。
LibreDifesaプロジェクトの規模を考えた場合、オープンソースの擁護者が、同プロジェクトはイタリアの公共分野における非プロプライエタリなソフトウェアの普及を後押しし得ると判断したのも納得できる話だ。
LibreOfficeの開発を主導する団体であるTDFの共同創立者Italo Vignoli氏は、「イタリア国防省のような大規模かつ複雑な組織によるLibreOfficeへの移行の決断は、このソフトウェアがコードの品質やセキュリティ、そして背後にあるコミュニティーという点で成熟したレベルに達したことの表れだと言える」と述べている。
「これは、多くの公共機関の意思決定者がオープンソースを本気で検討していくうえでの力になると考えている」(Vignoli氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。