グリーは、ITサービス管理基盤を活用して社内ITサービス提供の運用を効率化させている。子会社設立やM&Aの際、グループ本社側から提供する共通的なITサービス機能を迅速に提供できるようになったという。ServiceNow Japanが7月6日に発表した。
グリーは、新たな子会社の設立やM&Aを積極的に進めており、事業をスピーディーに立ち上げるために、共通的なITサービス機能をグループ本社側でパッケージ化し、迅速に情報システム部門から子会社に提供していく必要性が高まっていたという。
グループ会社内の組織や業務によって異なるシステム同士のデータ連携や調整に時間がかかっていたケースも多く、手作業や表計算ソフトでの作業も残り、ITサービス提供のリードタイムに時間を要していた上に、無駄なオペレーションコストやオペレーションミスも発生していた。これらの課題を解決し、IT運用を簡素化、効率化するため、統合的なITサービス運用フレームワークの導入が求められていたと説明する。
同社では、社内FAQ(ナレッジ管理)システムを見直すきっかけが生じたことから、FAQ機能を含めたITサービス管理ツールの製品を検討。その結果、ITILに準拠したITサービス管理の機能性と柔軟なカスタマイズ性、海外での導入事例、社内システムでの独自開発が容易な点などが評価され、「ServiceNow」の導入を決定した。
ServiceNowを活用したFAQシステムの導入は2015年3月に開始され、3カ月で導入を完了、またIT資産管理システムも2016年1月から3カ月で導入を完了している。
ServiceNow導入の結果、IT資産管理機能を活用して社内のIT資産をきめ細かく可視化できるようになり、社内でのITリソースの使用状況やコストがリアルタイムに把握できるようになったと説明。IT資産管理システムで得られた成果から、社内での発注オペレーションの効率化に向けたServiceNowの活用も進められ、これまで手動だったPCの在庫管理をServiceNow上で完結できるようになったという。
グリーは今後、グループ会社間でそれぞれ別々に設定されているユーザーアカウントを効率的に管理するため、ServiceNowを活用したアカウント管理の自動化も検討している。IT部門だけでなく、人事や総務、法務などの各部署にもServiceNowの活用を拡大し、各部門のシステムと連携したシステムの構築も将来的に検討している。