具体的には、顧客がサイトに対して、どういう行動をとって、商品購入に至るかなどを見て、広告やプロモーションを展開しているという。また、「ウェブでは、テレビなどのマス向け広告ではできない顧客一人ひとりにあわせたプロモーションが展開できる」(丹羽氏)ため、分析を最大限生かすことがポイントになるとした。
セガは、SEGA IDを顧客が自グループのサービスを利用する際のIDとしてだけでなく、ユーザーが利用するサービスとサービス内での行動、またユーザーの欲求や本音を分析するためにも利用している。
セガホールディングス IT本部 CRMソリューション企画推進部 副部長 小島雄一郎氏
「ネットやスマホの普及で、従来の家庭用ゲームやアーケードゲームとは異なるモバイルゲームのトレンドが生まれました。近年、ユーザーは事業領域では括れない環境に広く分散している一方で、ごく限られた場所に密集しているようなケースも少なくありません。こういったユーザーの多様な動態に個別かつ多角的に向き合うため、データ活用を強化しています」(小島氏)
BI活用のヒントについては、「仮説を立てて検証するというサイクルをきちんと回していくことが大事。思い通りの結果が得られることもあれば、まったく考えていなかった結果が出て驚くこともあります」(戸川氏)、「顧客や対象者、利用者によって目指す指標やゴールは変わってきます。現場の担当者とコミュニケーションを取り、担当者からもらった仮説を検証して次につなげていくことが大事」(丹羽氏)、「統計学を学ぶ、あるいは手法を駆使し精度を追い求める分析よりも、いまどこで何が起こっているのかに気付き、考え、“いち早く行動に移せる” 環境を作る方が遥かに大事」(小島氏)などと意見が出た。
そのほか、ツールの使い方やデータの扱い方などに議論は及んだ。分析担当者の生の意見とあって、会場の参加者は熱心に聴き入っていた。