5年後のVR/AR市場
米国はもとより日本においても、VR市場はゲーム分野をはじめ、観光、教育・トレーニング、エンターテインメントなどの非ゲーム分野においても市場は立ち上がっているものと見込まれる。また、現時点では市場が本格的に立ち上がっていないAR市場についても、Microsoft「HoloLens」や「Magic Leap」などのメガネ型、ゴーグル型AR主要デバイスがここ数年でリリースされることが見込まれることから、市場は拡大していくものと思われる。
さらに、ARデバイスはスマートフォンの次の主要デバイスになる可能性を秘めており、巨大な市場規模となりえる注目の市場といる。VR市場に参入したプレイヤーたちがそのままAR市場にも参入してくると考えられ、ハードウェアやモバイルネットワークなどの環境さえ整えば、AR市場の立ち上がりは早いものと見込まれる。
具体的なイメージとしては、例えば動画コンテンツ市場においては、手軽に撮影・編集できる高解像度で安価な360°カメラが登場すれば、360°動画のニュースや企業プロモーションで利用されるのはもちろん、ユーザー同士での共有は当たり前になるものと考えられる。
また現状、制作が大変な3次元CGについても、静止画をもとに簡単に3次元CGを作り出す新サービスなどが立ち上がってくれば3次元CG製作コストが大幅にダウン、結果として3次元CGコンテンツが爆発的に増加すると予測される。企業間におけるプレゼンテーションや制作物のデザインレビューにおいても、より臨場感のあるプレゼンのためにVR/ARコンテンツが利用されると考えられる。
弊社とプロノハーツ社で共同開発した「prono DR」は、3次元CADソフトで作成された設計データをVR空間でデザインレビューするためのツールで、前記した市場を意識したサービスとして販売を開始している。
現在は一人でのデザインレビューに限定しているが、将来的には複数人同時でのデザインレビュー機能を実装することで、世界各国の開発担当者が同じVR空間にアクセスし、その場で設計データについての意見交換をすることが可能になることを想定している。