座談会@ZDNet

メモリとの関係が変わる未来--オールフラッシュストレージ座談会(5)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2016-07-22 07:00

  ストレージをオールフラッシュにすることで、社内のITやビジネスの何が変わっていくのか。フラッシュストレージに関わるベンダー5社に集まっていただき、座談会を開催した。今回は最終回。参加したのは以下の5人。(第1回第2回第3回第4回

  • ソリッドファイアージャパン 技術部長 松浦敦氏
  • 日本IBM ストレージ・システム事業部 ビジネス開発 今井達也氏
  • EMCジャパン XtremIO システムエンジニア 水落健一氏
  • 日本ヒューレット・パッカード プリセールス統括本部 ストレージ技術本部 ストレージ技術2部 シニアITスペシャリスト 岩野義人氏
  • ピュア・ストレージ・ジャパン SE部長 志閒義治氏

ストレージから浮かび上がる新技術

――今後の展望についてですが、注目しているテクノロジはありますか。


EMCジャパン XtremIO システムエンジニア 水落健一氏

水落氏 たとえば、フラッシュメモリがHDD(ハードディスクドライブ)を駆逐するのかということがよく議論されると思うのですが、個人的にはそうは思わなくて、適材適所だと思います。ディスクはディスクで残ると思います。お客様はフラッシュメモリを使いますが、HDDの使い道も意外と考えています。ただ一般的には、コンシューマー向けPCはフラッシュメモリが急速に普及していますし、ラップトップはほぼすべてフラッシュメモリですよね。

 今さらHDDを買う人はいないですし、もっと身近なところでいくとスマートフォンなんていうのは全部フラッシュメモリになっていて、もう、HDDの世界ではない。そういった流れが企業ITにもきます。お客様もHDDの使い道を考えていますので、完全に駆逐するかはノーだと思うのです。

 少し毛色が違うのですが、バックアップやリストアの際、低速なストレージでもいいというところはハードディスクが残る領域だと思います。そういう部門をみてみると、結構バックアップを厳重に取っているが、有事の際にそのバックアップを使わないという顧客が結構います。私がお話している顧客も、結局バックアップからリストアが必要になったが、リストアに時間がかかるから使わないんだというお客様が数人いて、何のためのバックアップなんだということになります。

 そもそもバックアップ自体を考えると無駄なリソースが結構あります。これは実は顧客の意見で、それは本来的な意味のバックアップじゃないという話になります。そこをフラッシュメモリと紐付けて考えてみると、極端な話ですが本来やっていたバックアップは要らないのではないかと考えることもあります。

 例えば「XtremIO」にあるコピー機能「Virtual Copy」のような、デメリットが少ないものを使えば、そもそもバックアップをなくすことができるのではないかと。そこからつながっていくテクノロジ、たとえば2年くらい前からIBMさんがやっているような、フラッシュメモリとテープでデータを管理する“FLASH+TAPE=FLAPE”ですね。アーカイブやバックアップという領域から、さらにアーカイブを突き詰めると、やはりディスクベースのアーカイブというのは金額でテープに追いつかないものです。そういったFLAPEのある世界というのは、今日のキーワードとして出たビッグデータに非常に有効なのではないかと考えます。

 やはり単価ということでいくとテープはまったくディスクの先を行っていますので、高速のフラッシュストレージをプライマリにして、バックアップは要らないことになります。テープの速いところでアーカイブを持たせるといったようなことはビッグデータの領域では非常にニーズのある話なのではないかということは考えます。

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