値引きプロセスを省力化--セールスフォース、見積書作成SaaSを今秋提供

日川佳三 2016年07月12日 09時00分

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 セールスフォース・ドットコムは7月5日、営業担当者を支援するSaaSの1つとして、見積書を簡単に作成できるようにする「Salesforce CPQ(Configure, Price, and Quote)」を発表した。商品の組み合わせや商品ごとの割引率の設定などを省力化する。

 Salesforce CPQは、見積もり価格の作成を支援する。これにより、見積書の作成スピードが80%速くなったというデータがあるという。三菱電機の事例では、米国で冷暖房機の営業にかかる期間を2日から2時間に短縮し、見積もり価格の検討に要する時間を1週間あたり12時間削減した。

 2016年秋から提供する。税別価格は、標準版「Professional」が1ユーザーあたり月額9000円、機能上位版「Enterprise」が1ユーザーあたり月額1万8000円。上位版では例えば、より高度な承認ワークフロー機能を利用できる。

商品を組み合わせて値引き率を指定すれば見積書ができる

 機能は大きく分けて(1)商品の組み合わせの決定、(2)商品ごとの値引き率の決定、(3)見積書の作成――の3つで構成される(図1)。

図1:Salesforce CPQは商品の選択、価格の設定、見積書の作成――の3つのステップで構成する
図1:Salesforce CPQは商品の選択、価格の設定、見積書の作成――の3つのステップで構成する

 (1)では、あらかじめ登録しておいたルールにもとづいて、商品の組み合わせを決める。商品同士の依存関係などをルールとして登録しておける。ルールに合致しないかたちで商品を組み合わせることはできない。

 (2)では、組み合わせた個々の商品ごとに値引き率を指定する。指定した値引き率が商品ごとのルールを満たさない場合は、自動的に上長への承認ワークフローを起動できる。こうして、最終的に見積書のデータを確定させる。

 (3)では、データを利用して見積書を生成する。営業担当者が外出先からモバイル端末を使って商品の組み合わせや値引率を変更し、見積書を作成し直すといったことも可能だ。

セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティングシニアディレクター 御代茂樹氏
セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティングシニアディレクター 御代茂樹氏

 Salesforce CPQは、5~10週間で利用を開始できる。まずは最初に、企業の事情にあわせて商品ごとのルールやロジックを設計する必要がある。これはスキルや時間が必要になる作業だが、ルールさえ作ってしまえばルールの実装自体はウェブからできる。

Excel/Wordをシステム化して見積書の作成効率を高める

 「営業活動の中で見積もりは重要なステップ」と指摘するのは、セールスフォース・ドットコムでマーケティング本部プロダクトマーケティングシニアディレクターを務める御代茂樹氏。「リード(見込み客リスト)を受け取ってから発注してもらうまでに、必ず見積書を発行するという作業が入っている」(御代氏)

 御代氏によると、見積もりの作業は従来、ExcelとWordで行ってきた。ExcelとWordの文書は営業担当者のPCに保存されており、業務システムとは分断されていた(図2)。このため、価格交渉の過程で値引き率を変える際の承認プロセスなどが手作業になってしまっていた。不適切な値引きにつながるケースも多かった。

図2:従来は、リードから発注にかけて手作業で見積もりを行っていた。リード管理システムや基幹業務システムと分断されていた
図2:従来は、リードから発注にかけて手作業で見積もりを行っていた。リード管理システムや基幹業務システムと分断されていた

 Salesforce CPQは2月に買収した米SteelBrickのソフトで、Salesforce.comで足りていなかった機能を補完する。SteelBrickのソフトにはCPQの他に請求管理ソフトがある。このうち、まずはCPQを日本語化して提供する。

 グローバルでは500社がすでに利用しており、契約更新率は93%と高い。商材としてソフトウェアのサブリクリプション(購読型)モデルにも対応しており、ユーザーの業種としてはソフトウェア業界とハイテク業界が多い。ユーザーの企業規模は50~1000人のミドル規模で実績が多い。

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