Javaを所有するOracleによる「Java Enterprise Edition(Java EE)」開発の停滞を指摘する報道に対し、Oracleが回答した。OracleのJavaへのコミットは変わらず、次期版である「Java EE 8」に向けた作業を進めているという。
米国時間7月1日、ArsTechnicaはOracleにおけるJava EEの開発が停滞していると報じていた。当時のArsTechnicaの記事によると、Java EEの開発は事実上停止しており、これまでJavaプラットフォームに貢献してきたJava開発コミュニティのメンバーからは懸念する声が上がっているとのことだった。記事ではまた、OracleはJava EEに投じていた予算や人員の多くを引き上げている、とも報じていた。
ArsTechnicaは7月8日、1日の報道を受けてOracleの代表者Mike Moeller氏より電子メールにて声明文を受け取ったと報じた。それによると、「OracleのJavaへのコミットは変わっておらず、Java EEの次期版--Java EE 8--の仕様に向け、きちんとした提案を用意している」とのことだ。Java EE 8では、大規模な分散型コンピューティングとクラウド上のコンテナベースの環境上のマイクロサービスを利用した新しいアプリケーションの構築のために必要とする機能をサポートするとしている。
Moeller氏はまた、「OracleはJavaコミュニティの主要なパートナーと密に協業しており、提案を固める」としている。Oracleは9月にJavaOneを開催することになっており、そこで詳細を共有するという。
この計画について、Javaコミュニティには驚きと懐疑の入り交じった反応を示す開発者もいるとのことだが、ひとまずはOracleがJavaコミュニティの疑問に対応したことに楽観する向きが多いとArsTechnicaは記している。
Java EEはプログラミング言語のJavaによって企業システムを開発するためのプラットフォーム。JavaはSun Microsystemsで誕生したプログラミング言語で、Oracleが2010年に同社を買収したことでOracleの資産となった。
Java EE 8は2017年前半に登場する予定だ。