編集部からのお知らせ
Pick up! ローコード開発の行方
「これからの企業IT」の記事はこちら

「FinTechは既存の金融サービスを分解・再構築する」--日銀の山岡氏

吉田 洋平 羽野三千世 (編集部)

2016-07-12 17:18

 6月24日に開催された「Nikkei FinTech Conference 2016」において、日本銀行 決済機構局長 山岡浩巳氏が講演した。モデレーターは日経FinTech 高田学也副編集長が務めた。


日本銀行 決済機構局長 山岡浩巳氏

 山岡氏は「FinTechは新しいデジタル技術を根源的な発明に適用したものだ」と指摘した。「例えば、お金にデジタル技術を適用するとデジタルマネーになり、帳簿に適用するとブロックチェーンになる」(山岡氏)

 FinTechによる世界への影響について、山岡氏は「金融をより身近なものにする。例えば、途上国や新興国では銀行サービスが行き届いていないため、モバイルペインメントが広がっている」と語り、「金融サービスの供給形態が変化している。必ずしも銀行口座や店舗、ATMは金融サービスを供給するうえで必須のものではなくなってきている」とした。

 さらにFinTechは「既存の金融サービスを分解し再構築するかもしれない」(山岡氏)。例えば、「既存の銀行は預金を預かり、一部だけ持って残りを貸し出すというモデルのため、みんなが一斉に下ろしに来たら対応出来ないという弱点がある。FinTechは、預金をコアにしない新たなモデルを作る可能性がある」と山岡氏。

 次に山岡氏は、現金とデジタルな金融サービスの違いに言及し、「現金は誰でもいつでも使えるオープンなネットワークだが、それ以外はクローズドのネットワークであり、コンピュータがいつ動くかに制約される」と指摘。「現金はオープンでありながら、誰と誰が取り引きしたか分からないという、プライバシーにも配慮できるものだ」(山岡氏)とした。

 山岡氏は「現金にも持ち運びや保管が大変という欠点がある。FinTechを使い、デジタル技術でオープンなネットワークを実現できれば、金融サービスを現金以上に便利にできる」と語った。

 Fintechが広がるうえでの課題について山岡氏は「1つは高齢者対応だ。高齢者にはパスワードなどを覚えるのも大きな負担になる。生体認証をより手軽に利用出来るようにするなど、情報処理技術の安全性、信頼性を向上させる必要がある」と話した。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    社員の生産性を約2倍まで向上、注目の企業事例から学ぶDX成功のポイント

  2. コミュニケーション

    真の顧客理解でCX向上を実現、いまさら聞けない「データドリブンマーケティング」入門

  3. クラウドコンピューティング

    家庭向けIoT製品の普及とともに拡大するセキュリティとプライバシー問題─解決策を知ろう

  4. クラウドコンピューティング

    クラウドの障害対策を徹底解説!4つの方法とメリット、デメリット

  5. セキュリティ

    サイバー犯罪の標的となるMicrosoft製品、2019年に悪用された脆弱性リストからの考察

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]