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デザインと創造性で顧客のデジタル化を支援--インフォア、新組織立ち上げ

末岡洋子

2016-07-14 17:12

 Inforは7月10日から13日まで本拠地のニューヨークで年次イベント「Inforum 2016」を開催。7月11日の基調講演で最高経営責任者(CEO)のCharles Phillips氏ら幹部はクラウドを中心にInforの戦略を語った。社内に立ち上げたデザインエージェンシーHook&Loopを拡大して顧客向けの「H&L Digital」事業部を新設し、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援することも発表した。

 会場に集まった約1万人の顧客やパートナーを前にPhillips氏はまず、この1年の状況を解説した。Inforの顧客数は9万に、従業員はこの2年で約5000人増えて1万5000人になり、この1年で21カ国に49のオフィスを立ち上げたという。

Infor CEO Charles Phillips氏
Infor CEO Charles Phillips氏

 先に発表した会計年度2016年通年業績は、ソフトウェアの収益が前年度比27%増加した。特にAmazon Web Services(AWS)を利用したクラウド事業が成長しており、3年前には5%だったクラウド事業の成長率は、現在50%に達しているという。

 特に強調したのがサービスで、Infor Servicesは5300人体制となり、1500社以上のパートナーと提携している。サービスではここ数カ月でサポート、コンサルティングなどを統合し、クラウドからのマイグレーションを中心に顧客をしっかりサポートする体制を整えたという。

 イベントのテーマは「デジタルトランスフォーメーション」だ。新しいテーマではないが、Inforの差別化は(1)業界へのフォーカス、(2)デザイン、(3)データサイエンス、(4)インターネット標準の利用――の4つとなる。

 中でも(1)と(2)はInfor独自といえる。Inforの業務アプリケーションは多数の業界をサポートして固有の機能を加えることでカスタマイズ不要なソリューションを提供する。「Inforは“ラストマイル”の機能を備えており、カスタマイズは不要だ。顧客の要望を受けて機能を製品に組み込む」とPhillips氏。

 デザインとはユーザー体験のフォーカスであり、Hook&Loopというデザインエージェシーを社内に立ち上げている。これは、アプリケーション側からユーザーインターフェース(UI)を見るのではなく、デザインのプロがユーザー視点でアプリケーションの操作性を設計するという思想に基づくものだ。「ソフトウェア企業が抱えるデザイン部隊として業界最大」と胸を張る。

Infor プレジデント Stephan Scholl氏
Infor プレジデント Stephan Scholl氏

 IaaS/PaaS大手のAWSを利用する「Infor CloudSuite」のクラウド事業を説明したプレジデントのStephan Scholl氏は、その背景について「デジタルディスラプションという新しい現実に対応するために、2010年末に数十億ドルを投じ、提携を結ぶことを決めた」と語る。

 例えば製造。これまではマスプロダクションという“シンプル”なものだったが、個別生産というトレンドが出てきている。「顧客はパーソナライズされた製品や体験を求めている」とScholl氏。「サプライチェーンを再考し、インフラ全体をオンラインにして接続し、ビジネスのディスラプションに対応する必要がある」と続けた。

 AWSと組むことでアプリケーションにフォーカスするというのがInforのクラウド戦略だ。「重要な変革が起きているのは、インフラではない。アプリケーション層だ。われわれはここで30億ドルを投資してきた。この規模の投資を(アプリケーション層に)行っている競合はいない」とScholl氏。AWSについては「柔軟性、アジャイル性、拡張性を得ることができる」と業界最大のクラウドは顧客に大きなバリューをもたらすとした。

Infor CloudSuite
Infor CloudSuite
Travis Perkins CEO John Carter氏
Travis Perkins CEO John Carter氏

 クラウドの顧客数は7000を超え、ユーザーにして6200万人。103カ国でAWSをベースとしたInforのSaaSを利用しているという。

 その1社となるのが、英国最大の建築材業Travis Perkinsだ。3万人の従業員を抱え、売上高は65億ポンド。CEOのJohn Carter氏はこれを100億ポンドに引き上げることを目指している。

 ステージに上がったCarter氏は、CloudSuiteの導入にあたって「事業環境が大きく変化しており、システムにフォーカスする必要があった。顧客体験を改善して、製品に容易にアクセスできるようにしたかった」と背景を説明した。

 「競争は激化しており、顧客の期待は高くなる一方だ。製品情報、在庫情報を簡単に入手できるようにしたかった」とInforを導入してiPadなどからすぐにアクセスできるようにした。Inforのクラウド導入は創業40年以上のTravis Perkinsにとって最大のシステム変更となり、Inforにとっても最大顧客の1社となる。

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