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日本株展望

米国株高によるリスクオンと円安期待 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-07-15 11:10

米国株が史上最高値を更新した背景

 米連邦準備制度理事会(FRB)が13日に公表したベージュブック(地区連銀経済報告)は、5月半ば以降も米経済が緩慢なペースで拡大したことを確認した。8日に発表された6月雇用統計で非農業部門雇用者増加数が市場予想を大きく上回ったこととあわせ、米景況感は概して底堅さを維持している。

 一方、中国の経済状況やBREXIT(英国のEU離脱)問題をめぐる先行き不透明感や大統領選挙動向を考慮すると、FRBは当面追加利上げに動きにくいと思われる。一般的に、こうした「低金利環境が維持されるなかでの景気見通し改善」は、株式市場にフレンドリーといえる。

 なお、米大企業(S&P500指数構成銘柄)の四半期別業績見通し(市場予想平均)をみると、第2四半期(4~6月期)の減益をボトム(底)にして、第3四半期(7~9月期)以降は増益に転じていく見立てとなっている。これは、原油相場の回復や年後半の債券利回り上昇予想を受け、エネルギー業種や金融業種の業績改善が寄与するとみられているからだ。

 暦年ベースでみると、2016年通年こそ微増益となりそうだが、2017年も2018年も2桁増益が予想されている。「Forward Looking(将来変化を織り込む)」特性が強い株式市場が、「年後半から来年の業績改善を視野に入れた株高」を示現しているといえそうだ。

図表2:米企業の業績見通し(市場予想平均)

S&P500指数
(注)S&P500指数ベースの予想平均EPSにもとづく前年同期比増減益率(ブルームバーグ集計平均)
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(7月13日)

日米欧マネタリーベース総額の伸びが示すこと

 なお、米国株式が堅調となっている背景として、日米欧のマネタリーベース総額が伸び続けている影響(効果)もあると考えられる。マネタリーベースとは、中央銀行が市中に供給する総資金量(中央銀行券の発行高+貨幣流通高+中銀の当座預金残高)を意味する。図表3でみる通り、日米欧の総資金供給量は拡大を続けている。

 6月末時点の同マネタリーベース総額は前年比約2割増の10兆ドル(約1000兆円)に迫っている。米国のマネタリーベースはFRBが2014年10月にQE(量的緩和策)を停止して以降横ばいとなっているが、日本銀行と欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策を続けているからだ。

 マネタリーベースのうち、設備投資に回る部分を除くほとんどが利子の付かない資金となっており、いわゆる「過剰流動性」(リスク資産への待機資金)とも位置付けられている。BREXIT問題がいったん落ち着いた中、そうした流動性が米国株を中心に世界のリスク資産に染み出してきた可能性がある。

 なお、6月の日本のマネタリーベース残高は約3兆9140億ドと米国の残高(約3兆8250億ドル)を上回った。一般的に、総供給量が多い通貨が少ない通貨と比較して貨幣価値を減じやすいとされ、これだけに注目すれば為替はドル高・円安となりやすいので注目したい。

図表3:日米欧のマネタリーベース総額(ドル換算)推移


(注)マネタリーベース=中央銀行が市中に供給する総資金量(中銀券発行高+貨幣流通高+中銀当座預金残高)
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(6月末時点/月次)

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