人気Linuxディストリビューション「Ubuntu」の開発元であるCanonicalが現地時間7月15日付けのブログ投稿で、ユーザーフォーラム「Ubuntu Forums」が前日にハッキング被害にあったことを明らかにした。
Canonicalによると、Ubuntu Forumに関連する約200万人分のユーザー名、電子メールアドレス、IPアドレス情報が名称が、攻撃者により不正に取得されたという。攻撃者はまだ特定されていないという。
攻撃者は、同フォーラムが利用していた古いバージョンの「vBulletin」ソフトウェアが利用していたアドオンにあるSQLインジェクションの脆弱性を悪用した。これにより、フォーラムのデータベースへのアクセスが可能となったが、Canonicalによるとアクセスされダウンロードされたユーザーデータは限定的だったという。
Canonicalはコードのリポジトリにはアクセスされなかったことを強調しており、攻撃者がデータベースに書き込んだり、シェルアクセス権を獲得するようなこともなかったという。また、攻撃者はCanonicalやUbuntuの他のサービスにもアクセスしていないとのことだ。
攻撃発覚後、サーバをワイプして再構築し、セキュリティも強化してパスワードを変更した。フォーラムソフトウェアは完全にパッチを当てた状態だという。
Canonicalによると、フォーラムはUbuntu Single Sign Onサービスに依存していたが、パスワードはハッシュ化とソルト保護されており、ランダム化されたデータ列として保存されていたという。どのハッシュアルゴリズムを利用していたのかについては触れていない。MD5など一部のアルゴリズムは現在も使われているが、非推奨扱いになっており、簡単にクラッキングが可能だ。
vBulletinは以前から、簡単にシステムにアクセスできる入り口としてハッカーや悪意ある攻撃者の格好のターゲットとなっていた。最近では、カナダのVerticalScopeが所有していた車、ハイテク、スポーツなどのフォーラムから4500万人分のアカウント情報が流出していた。この時も、vBulletinの既知の脆弱性が悪用された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。