自律型モビリティ社会では、自動車やロボットなどの特定産業にとどまらず、さまざまな産業への波及や普及が期待されている。
例えば医療や保健や福祉では、交通制約者の移動の自由を広げる手段としてである。他の産業においても作業の飛躍的な効率化、新商品開発の手段として活用できるという。
出所:「新たな情報通信技術戦略の在り方」第二次中間答申(案)について 2016.7.7
筆者はこれまで、自律的に行動し知能と自己学習機能を備え、状況に応じて自らが判断し適応して作業を実行する自動車をはじめロボット、小型無人機(ドローン)などの新しい電子機械である「スマートマシン」の動向を紹介してきた。
自律型モビリティ社会では、スマートマシンが自律的かつ相互に連携して作業をすることで、さまざまな産業が相互に融合するネットワーク型産業へとシフトしていくだろう。
例えば、ECサイトの利用拡大に伴い、物流センターでロボットによる配送対応から自動運転トラックによる運搬、自宅まではのドローンによる配送などによる物流の連携が進み、人間の介在を最小限に抑え、物流の自動化や効率化を進めるといったことも将来的に進んでいくと考えられる。
今後、業種、業界の枠組みを超え、顧客やパートナーとの新たな関係性を構築し、新たな提供モデルや収益モデルを獲得、事業を拡大していく取り組みが重要となっていくだろう。
- 林 雅之
- 国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。NTTコミュニケーションズで、事業計画、外資系企業や公共機関の営業、市場開 発などの業務を担当。政府のクラウドおよび情報通信政策関連案件の担当を経て、2011年6月よりクラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。