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DevOps、アジャイル管理、セキュリティにフォーカス:日本CA反町社長 - (page 3)

末岡洋子

2016-07-21 18:04

--日本でもアプリケーションエコノミーといわれはじめたが、企業は変わりつつあるのか。

 入社して最初の3カ月で100人以上の顧客と話しましたが、どの企業にいってもデジタル変革の話が出ました。私の感触ですが、8割以上の企業がなんらかの取り組みを開始しているのではないでしょうか。

 調査でも裏付けされており、1月に発表した調査ですが、回答者の約半数が「自社の業界において重大なデジタルディスラプション、創造的破壊のようなことが今後3年以内に生じる」を選びました。「すでに起こっている」という回答は、5分の1です。もうそこまで来ているのではないかと思っています。

 さまざまな業界で創造的崩壊が起きると予想できます。例えば、金融業界ではFinTechがトレンドになっていますが、データの連携、すなわちAPIを結合させてデータを取り込み、他者のサービスを含めてお客様に提供することが考えられます。結合部分をオープンにすることでさまざまなサービスが取り込め、顧客の利便性を改善できます。これは大きな変化でしょう。デジタル化へのシフトが起こっており、BtoCだけでなく、商取引を含めBtoBも大きく変わると予想できます。

--CAというと歴史的にメインフレームに強いイメージだが、メインフレーム関連の今後の見通しはどうか。収益に占める比率はどのように推移していくとみているか。

 メインフレームも引き続きわれわれのポートフォリオの1つです。全体の1つとしてメインフレームも、オープン系もサポートします。

 メインフレームは横ばいで推移しています。これまでのオープン化により、今残っているメインフレームは必要だから残っていると理解しています。一方でオープン系はどんどん増えており、全体における比率も大きくなっています。

--パートナー戦略を含めた営業体制について教えてほしい。

 アカウントベースでケアしているフォーカスカスタマー、そしてパートナーを経由する顧客と分けていますが、今後フォーカスカスタマーについては数としては絞り込んでいきます。金融、テレコム、自動車、サービスの4業種は歴史的に強い顧客基盤を持っているので継続し、絞り込んだ顧客にはより深く接していきます。

 パートナーとの協業エリアについては、ここ数年、製品ポートフォリオの拡充とパートナー企業のトレーニングを通じて拡大の素地を作ってきました。さまざまなソリューションを提供できる体制ができ、今年度からしっかり展開していきます。具体的には図のように4本柱で進めていきます。


新しいCAのパートナー戦略は4本の柱を持つ

 パートナー企業は現在30社弱あり、そのうちビジネスプランを含めて協業しているところが約10社あります。今後この数をもっと増やしていく方針です。これまでは、われわれが案件を作り、最終的にパートナー様にやっていただくケースが多かったのですが、今後は早期からパートナー様に入ってもらい、案件を作っていきたい。新しいソリューションをどんどんパートナー様に手掛けていただきたいと考えています。

---優先して取り組んでいこうと思っていること、抱負を聞かせてほしい。

 まずは、今までCAは何を頼んでいいか分からないというようなイメージもあったかもしれません。ここを変えていきたい。

 CAという会社は老舗で、われわれの調査によると認知度も高い。ただ、実際にどういう業務をやっているかとなるとなかなか連想ができない。100人以上の顧客と会いましたが、「CAとは何か」についての認識はさまざまで、これというところがない。これはすごくもったいないことです。われわれは素晴らしいソリューションを持っていると思っていると私は思っているので。それを分かってもらおうというのが、標語しての「ビジネス変革時代のベストサポーター」です。中立的な立場をとるマルチサポーター、独立系のソフトウエアベンダーである点をアピールしていきます。

 われわれが開発関連で技術を持っていることはあまり知られていませんが、知っている人は「CAすごいね」と言ってくれる。ここを、知る人ぞ知る存在ではなく、いかにしてメジャーにするか、そして日本の国際競争力に貢献できるかということが、私の最大のチャレンジです。そのために、従業員にとって最高の職場にしていかなければならない。これをサイクルにして回していくかに注力しています。

 幸いこの2年くらいは良い状況で、日本は売り上げ面でも伸びています。職場環境を含め、さらに拡大させて良いサイクルにしていきたいと思っています。

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