マイクロソフト、Skypeの土台技術をPtoPからAzureへほぼ移行完了

Mary Jo Foley (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-07-22 11:46

 Microsoftが2011年にSkypeを買収する計画を発表したほとんどその日から、Skypeの土台インフラについて疑問が指摘されていた。あれから5年が経過する米国時間2016年7月20日、MicrosoftがSkypeコンシューマーサービスの土台で何を行っているのかを少し明確にした。

 MicrosoftがSkypeを買収したとき、サービスは完全にPtoPベースだった。2012年、Microsoftはスーパーノードを開発してこれをSkypeのPtoPバックボーンに加えた。このスーパーノードは安全なデータセンター内の専用サーバで動いており、Microsoftは当時、これによりユーザーがお互いを容易に探すことができるようになる、と説明していた。通話はスーパーノードをルーティングしないことになっていた。

 その直後、MicrosoftはSkypeのバックエンドを一新し、クラウドホスティングサービスにした。一部のウォッチャーは、Microsoftの狙いについて、警察や諜報機関が容易にユーザーデータにアクセスできるようにするためではないかとみていた。Microsoftはこれを否定したが、2013年当時はSkypeのPtoPバックボーン一新の理由については多くを語らなかった。

 多くの人と同様、私もMicrosoftによるSkypeインフラのクラウド移行がここにきて完了したとみていた。だが、それは間違っていた、とMicrosoftのSkypeおよびSkype for Business担当コーポレートバイスプレジデントGurdeep Pall氏は言う。

 筆者が先週、Pall氏へのインタビューで聞いたところによると、SkypeにはまだPtoPを使って稼働する部分も残っているが、Microsoftではこうしたサービスをリタイアさせ、数カ月のうちにクラウドにほぼ完全移行できると考えているそうだ。

 「PtoPからクラウドへの変換を数年前に開始した。チャット、オーディオ、動画、ファイル共有、IDから着手した。いま現在、われわれは意味と制約を満たすことができるサービスを構築している」とPall氏。

 Microsoftは過去数年PtoPとクラウドの相互運用をサポートしてきたが、「われわれの顧客の多くがクラウドオンリーになれる」という。

 メッセージが異なるデバイス間できちんと同期しなかったり、Skypeの通話が使用中の端末でなく他の複数のデバイスで鳴ったりと、過去に不具合もあったが、それは技術が相互運用の段階にあるためだったのだ。

 Pallによると、先に導入されたモバイル端末上でのマルチパーティーの音声/動画、Skype Translator、Skype Bot Platform、ファイル共有といったSkypeの新機能はすべて、Azure上でのみ動いているという。Skype for TVなどPtoPスタック上に構築したサービスの一部は今後サービスを終了する。Azureにのせるのが不可能だったり、コスト的に難しいためだ。

 一方で、「Skype for Business」(旧称「Lync」)は、コンシューマー用のSkypeとは別のインフラ上に構築されている。Pall氏にSkype for Businessのバックエンドのアップデートについてどう考えているのか尋ねたが、現時点ではコメントを控えたいと返された。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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