NEC、コンテナ中心にCI/CD環境含めてOSS活用のPaaSを提供へ

NO BUDGET

2016-08-02 13:25

 NECは、「OpenShift」や「OpenStack」などのオープンソースソフトウェア(OSS)を活用したPaaS基盤サービスを11月から提供する。7月28日に発表した。「NEC Cloud IaaS」の新メニュー「スタンダードプラス(STD-Plus)」の提供も開始した。

 11月から提供する「PaaS基盤サービス(OS)」は、税別月額35万円からの価格を予定。「Docker」や「Kubernetes」などのOSSを活用したコンテナ型アプリケーション開発実行環境である「Red Hat OpenShift Container Platform」を中心に、アプリケーションの構築から配備までを自動的に展開する継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)環境、周辺システムも含めたソフトウェアを基本セットとしている。

 CI/CD環境では、アプリケーションの構築管理(ビルド管理)、ソースコード管理、課題管理のためのソフトウェアと、コンテナの制御実行管理ソフトウェアを連携させることでアプリケーション開発の一連のプロセス(ビルド・テスト・配備)を自動化させる。

 CI/CD環境には、ソフトウェアの構成を管理する(Software Configuration Managemen:SCM)ものとしてリポジトリ管理の「GitLab」、ビルド管理にCIの「Jenkins」、課題管理に「Redmine」を採用。ログを管理するために「EFK(ElasticSearch+Fluentd+Kibana)」を活用する。

 周辺システムでは、各種ソフトウェアのIDとPパスワードを一元管理し個々のソフトウェアでのアカウント管理工数を削減するためのID管理機能、コンテナ制御ノードの負荷を分散させるロードバランサ機能、処理の中断などがあっても、コンテナ制御情報やデータのストレージ保存により業務を継続させるためのデータ永続化機能で一連のコンテナ型アプリケーションの開発、実行、データ保全が効率的になるという。

 Cloud IaaSの仮想サーバ「ハイアベイラビリティ(HA)」か物理サーバ上に構築する。PaaS基盤に関する全ての機能を検証済みの構成でCloud IaaSのセルフサービスポータルでプロビジョニングすることで即日利用できる(HAの場合)。

 運用管理オプションも提供する。統合システム監視に「Zabbix」、バックアップリカバリに「Bacula」、ログ管理で「ELK(ElasticSearch+Logstash+Kibana)」を活用する。

PaaS基盤サービス(OS)システム概要(NEC提供)
PaaS基盤サービス(OS)システム概要(NEC提供)

 Cloud IaaSの新メニューであるSTD-Plusは、既存の「スタンダード(STD)」とHAとの間に位置付けられ、STDのサービスレベルとHAの高性能をあわせ持つとしている。HAと同等の高性能なスペックのサーバが利用でき、より高負荷な業務への対応が可能と説明する。

 ゲストOSはSTDがMicrosoft Windows Server、CentOSだったのに対し、Ubuntuに代えてRed Hat Enterprise Linuxを利用可能とした。ホストやストレージの専有利用も可能となっており、STDより高負荷な業務への対応、リソースを専有したいニーズへの対応を実現する。

 ホスト専有型仮想サーバもCloud IaaSのセルフサービスポータルから、STDやHAといった仮想サーバと統一したリソース調達・運用が可能。STD-Plus(共有型)と同じスペックの機器であれば最短即日で利用開始可能であり、仮想サーバ専有環境の迅速な調達と効率的な運用を実現する。共有型は7月28日から、占有型は11月から提供する。

 STD-Plusの共有型は、初期費用不要。仮想サーバ1台あたり税別月額8840円から利用できる。仮想サーバ1台の構成は、仮想CPUが4NUC×1、メモリが2Gバイト、システムディスクが60Gバイト(NCU:NEC Cloud IaaS Compute Unit。Cloud IaaSのCPU性能を表す指標であり、1NCUはXeon1コア=2013年基準の1/4に相当する)。

 STD-Plusの占有型は標準ホストサーバ1台分で税別月額39万8000円から(ストレージ含まず。最小構成は冗長化のためホスト2台から。メモリ容量は予定)。標準ホストサーバはCPUが28コア、メモリが384Gバイト。

STD-Plusのシステムイメージ(NEC提供)
STD-Plusのシステムイメージ(NEC提供)

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