人事に関連したクラウドサービスや受託サービスを提供するラクラスは、サービスの基盤としてデータベース専用機を導入、データベースを移行して稼働を開始した。日本オラクルとアシストが7月28日に発表した。
ラクラスは、企業競争力の源泉となる経営資源は「人材」であり、人事部の本業はそれを発掘し、モチベーション高く働ける仕組みを作ることであるとの考えに基づき、人事部が戦略的な人事施策に注力できるよう、ワークフロー、就業管理、人事データベース、給与計算システムなど8つのモジュールをBPOやクラウドサービスとして提供している。ユーザー企業は各モジュールを自社の課題にあわせてさまざまな形に組み合わせて利用でき、大企業グループから中堅企業まで幅広い規模や業種の企業に採用されている。
ラクラスは2015年10月からマイナンバー管理サービスも提供。このサービスはマイナンバーの収集から利用、保管、廃棄という一連の業務プロセスをサービスとして提供しており、企業はこのサービスを利用することで“社内にマイナンバーを残さない”運用が可能となる。
同社はシステム基盤として以前から「Oracle Database Standard Edition One」を利用してきた。
しかし、ワークフローシステムでのCPU使用率が課題となってきたため性能面で早急な対応が必要となっており、また企業が利用する重要なサービスであることから可用性を高めて安定したサービスを提供することにも必要性を感じていたという。マイナンバー管理サービスを強固なものとするためのデータベースセキュリティの強化もあわせて実施することになった。
課題解決のために「Oracle Database Enterprise Edition」、可用性や運用管理、セキュリティ強化を行うオプション製品群とデータベース専用機「Oracle Database Appliance」を導入した。サービスを停止することなくデータベースの移行を完了し、新基盤は安定して稼働を続けているという。導入効果は以下の通り。
- 必要なCPU能力に応じて費用を支払うライセンス方式「Capacity on Demand」で将来的にも段階的な投資と拡張が可能
- 「Oracle Real Application Clusters One Node」で高速な復旧が可能になり、可用性が向上
- オプションの「Oracle Advanced Security」でCPU内で暗号化、復号を高速に処理することで性能に影響を与えずにセキュリティを強化
- 「Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack」と「Oracle Enterprise Manager Tuning Pack」でOracle Databaseの稼働状況が可視化され、運用とチューニングが容易に
ラクラスは今後、マイナンバー制度をはじめ、増え続ける人事業務の負担を軽減するため、今回構築した堅牢かつ安定した基盤上で人事クラウドやBPOサービスの拡張を進める予定。