より賢く活用するためのOSS最新動向

OSSライセンスとの付き合い方

吉田行男 2016年08月03日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。今回は、OSSを語り始めると避けて通れない「ライセンス」についてご紹介します。

 OSSというと「GPL(GNU General Public License)」というライセンスが有名で、諸悪の根源のように表現され、“GPL汚染” などと表現されるとてもかわいそうな存在です。本当にそんなにひどい存在なのでしょうか?じっくり考えていきたいと思います。

OSSライセンスとは?

 Open Source Initiative(OSI)は、オープンソースの要件として、以下のような定義 “The Open Source Definition(OSD)” を掲げています。

  1. 自由な再頒布ができること
  2. ソースコードを入手できること
  3. 派生物が存在でき、派生物に同じライセンスを適用できること
  4. 差分情報の配布を認める場合には、同一性の保持を要求してもかまわない
  5. 個人やグループを差別しないこと
  6. 適用領域に基づいた差別をしないこと
  7. 再配布において追加ライセンスを必要としないこと
  8. 特定製品に依存しないこと
  9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しないこと
  10. 技術的な中立を保っていること

 この要件を満たすオープンソースライセンスをOSIでは現在78種類認定しています(2016年6月28日時点)。単にソースコードを公開するだけではオープンソースとはいえず、上記の10項目を満たすライセンスを適用したものだけをオープンソースと呼ぶことになっています。

どんなライセンスがあるの?

 次にこのような要件を満たすライセンスにどのようなものがあるかをご紹介したいと思います。

 OSSライセンスは、「コピーレフト」と呼ばれる概念への適⽤状況に応じて、大きくは3つのカテゴリ(類型)に分類することができます。

 コピーレフトは、著作者が著作物に対する権利(著作権)を保有したまま、著作物の配布条件として、利⽤者に著作物を複写・改変・再配布する⾃由を与える⼀⽅で、複写・改変・再配布された派⽣物(⼆次的著作物)の配布者に対しても、全く同じ条件で派⽣物を配布することを義務付けるといった考えになります。また、このコピーレフトは、著作物が配布され続ける限り、制限なく適⽤され続けるといった特徴を持っています。

 こうしたコピーレフトの概念のライセンスへの適⽤状況に応じて、OSSライセンスは、(1)コピーレフト型ライセンス、(2)準コピーレフト型ライセンス、(3)⾮コピーレフト型ライセンス、の3つのカテゴリ(類型)に分類されます。具体的には、以下の2点が、ライセンスを上記の3つの類型に分類する際の基準になります。

  1. ソフトウェア利⽤者に対して、利⽤者がソースコードを改変した際に、改変部分のソースの開⽰までを義務づけるかどうか
  2. ソフトウェア利⽤者がソースコードを他のソフトウェアのソースコードと組み合わせた際に、他のソースコードの開⽰までを義務づけるかどうか

 以下では、ソフトウェア開発者を「ライセンサ」、ソフトウェア利⽤者を「ライセンシ」と表記します。これに従って、分類すると下表のようになります。

表1.OSSライセンスの分類
類型複製・再頒布可能改変可能改変部分のソース公開要他のコードと組み合わせた場合他のコードのソース公開要
コピーレフト型
準コピーレフト型×
⾮コピーレフト型××

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化