もう少し、具体的に説明しましょう。
(1)コピーレフト型ライセンス
コピーレフト型ライセンスでは、Free Software Foundation(FSF)によって作成されたGNU General Public License(GPL)が最も有名なライセンスで、特徴は下記の2点になります。
- ライセンシの派⽣物にまで同じライセンスの適⽤を要求する。
- ライセンサが配布するOSSを、ライセンシが他のソフトウェアと組み合わせた場合、ライセンサはライセンシに組み合わせ先のソフトウェアにまで同じライセンスの適⽤を要求する。
先に表1でも⽰したように、この類型のライセンスはいずれも⾮常に強い伝播性を持っている点が特徴です。GPLの特徴にあるように、ほかのソフトウェアを組み合わせて派生物を作成した場合にその派生物にまでGPLを適用しなければいけないということです。一般的に、“GPL汚染”として物議を醸しだすのはこの特徴に関してです。
(2)準コピーレフト型ライセンス
準コピーレフト型ライセンスでは、Mozilla Foundationによって作成された Mozilla Public License(MPL)が代表的なライセンスで、特徴は下記の2点になります。
- ライセンサに派⽣物にまで同じライセンスの適⽤を要求する。
- ライセンサが配布するOSSを、ライセンシが他のソフトウェアと組み合わせた場合、 ライセンサはライセンシに組み合わせ先のソフトウェアにまでは同じライセンスの適⽤を要求しない。
このように、準コピーレフト型ライセンスは“コピーレフト”性を有しながらも、コピーレフト型ライセンスと比較して、伝搬性が弱いことから「Weak Copyleft」型ライセンスとも呼ばれています。
(3)⾮コピーレフト型
⾮コピーレフト型ライセンスとは、University of California, Berkele(UC Berkeley)によ って作成されたBSD Licenseが代表的なライセンスで、特徴は下記の2点になります。
- ライセンシに派⽣物にまで同じライセンスの適⽤を要求しない。
- ライセンサが配布するOSS を、ライセンシが他のソフトウェアと組み合わせた場合でも、ライセンサはライセンシに組み合わせ先のソフトウェアにまでは同じライセンスの適⽤を要求しない。
上記からもわかるように、同類型の最も⼤きな特徴は、ライセンシが派⽣物を配布する際にソースコードを⾮開⽰にできることです。ライセンシが、⾮コピーレフト型ライセンスにもとづくOSSをベースに新たなソフトウェアを開発した場合でも、開発したソフトウェアのソースコードを開⽰する必要はなく、それを⾃⾝のプロプライエタリなソフトウェアとして配布できます。
表2に、それぞれの類型の著名なOSSライセンスをご紹介します。
コピーレフト型 | GNU GPL Q Public License15 |
準コピーレフト型 | GNU LGPL MPL (Mozilla Public License) Interbase Public License SUN Public License Apple Public License CPL (Common Public License) IBM Public License Artistic License (Perl License) |
⾮コピーレフト型 | BSD License FreeBSD Copyright MIT License X11 License ZPL (Zope Public License) Apache Software License |