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日本株展望

経済対策は事前報道通り--原油下落の背景

ZDNet Japan Staff

2016-08-03 12:18

 8月2日の日経平均は、前日比244円安の1万6391円だた。最近発表の米景気指標が弱めでジリジリと円高が進んでいること、原油価格下落が新たな不安材料となっていることなどが嫌気された。

 8月2日は、総額28.1兆円の経済対策が閣議決定されたが、ほぼ事前報道通りの内容でサプライズはない。

 8月3日の日本時間午前6時20分現在、1ドル100.90円まで円高が進んでいる。2日のCME日経平先物(9月限)は、1万6095円(2日の日経平均終値比マイナス296円)だった。

経済対策の内容はほぼ事前報道通り

 政府は、8月2日夕方に経済対策を閣議決定した。総事業規模28.1兆円、“真水”7.5兆円(国の負担6.2兆円、地方自治体の負担1.3兆円)は事前の報道通りだった。真水とは経済対策のうち、国や地方が直接負担する財政支出のことであり、公共投資・減税などを指している。GDPを直接押し上げる財政出動。

 経済対策は当初、総額10兆円、真水3兆円と言われていたが、直前の報道で規模が膨らむことが伝えられていた。経済対策として一番重要な真水は7.5兆円に膨らんだ。ただし、それは複数年度の対策をあわせた総額のことを言っている。

 2016年度の2次補正予算案に4兆円を計上し、残りが2017年度の予算案や特別会計で編成する見込みだ。政府試算では、これらの経済対策で2016~2017年度のGDPが1.3%押し上げられる。

 楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、発表内容にサプライズはないとし、規模を膨らませるために急いで作った印象は否めないとの見方を示す。複数年の目標を挙げて規模を膨らませているので、単年度のGDPが大きく押し上げられるわけではない。

原油下落が新たな不安材料に

 原油が再び下落しつつある。8月2日の日本時間午前6時現在、WTI原油先物(期近)は1バレル39.70ドルまで下がっている。原油暴落によるショックから世界経済が立ち直りつつあっただけに、原油下落が新たな不安要因となっている。

WTI原油先物(期近)の推移:2014年4月1日~2016年8月1日

WTI原油先物(期近)の推移:2014年4月1日~2016年8月1日
(出所:シェールオイル生産コストは、楽天証券経済研究所の推定)

 窪田氏は、現在の原油下落は、これまでの上昇ピッチが速過ぎたための反動で、再び1バレル30ドルに向けて暴落するとは考えていないという。

 2014年4月以降の原油の5つの動き、グラフの(1)~(5)について簡単に解説しよう。

  1. 2014年7月~2015年1月:米シェールオイル増産で原油が供給過剰となり暴落
  2. 2015年2~5月:コスト割れのシェール田が出てきたことを受けて、原油反発
  3. 2015年6月~2016年1月:中東原油の予想以上の増産を受けて、原油が再び急落
  4. 2016年2~6月:原油需要の増加、シェールオイルの生産減少を受け、原油反発
  5. 2016年7月:シェールオイルの稼動リグ数増加・中東原油増産を受けて、原油反落

 シェールオイルの稼動リグ数の増加は、2~6月の原油反発が急だったから起こったことだが、原油価格が1バレル60ドルを超えて上昇しない限り、米シェールオイルのこれ以上の増産はないと予想される。

 原油下落がこれ以上続くと、また、産油国・資源国の景気悪化、米シェールオイル産業の悪化→米景気悪化と不安が増える。原油のさらなる急落はないと現時点で予想されているが今後の、原油価格の推移を注意深く見ていく必要がある。

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