調査

AWSとMSがIaaS市場で圧倒--ガートナーの「マジック・クアドラント」

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-08-05 10:20

 Gartnerによる最新の調査結果「Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service」によると、首位のAmazon Web Service(AWS)と2位のMicrosoftが他社を圧倒している一方、Googleは依然として「ビジョナリー」の範疇にいるという。

 IaaS市場におけるMagic Quadrant(マジック・クアドラント)は以下の通り。市場における企業の位置付けを平面に展開したこのチャートは、しばしばその方法論が批判されているとはいえ、影響力の高いものとなっている。


 このチャートはIaaS市場のみに焦点を当てており、クラウドストレージやPaaS、SaaS、クラウドサービスブローカーについては考慮していない。また、ハイブリッドマーケットも含んでいない。

 同社は以下のように記している。

 このマジック・クアドラントでは、クラウド分野におけるIaaS(以降は単に「クラウドIaaS」または「IaaS」と表記)を、「顧客の求めに応じて、サービスプロバイダーが所有するストレージやネットワークの能力で補完されるコンピューティングリソースを提供する、標準化され、高度に自動化されたサービス」と定義している。こういったリソースはスケーラビリティと、ほぼリアルタイムでの伸長性を備えており、使用量に応じて課金される。また、ウェブベースのユーザーインターフェースやAPIを含む、セルフサービス型のインターフェースが顧客に対して公開されている。これらのリソースはシングルテナントであるかマルチテナントであるかにかかわらず、サービスプロバイダーによって、あるいは顧客のデータセンター内でオンプレミスというかたちでホストされる。

 定義はさておき、Gartnerの調査結果で特に重要なのは以下の点だ。

  • AWSは多様な顧客ベースを有し、ほとんどのユースケースを網羅している。また、AWSは成熟しているが、運用に専門知識を要するため、購入にあたっては営業担当者や、アーキテクチャに詳しい人材に関与してもらう必要がある。さらに、顧客は奥深いサービス内容の理解に苦労するだろう。
  • MicrosoftはIaaSとPaaSの統合に最も成功しており、統合という点では他社よりも優れている。また、GartnerはMicrosoftがよりオープンである点を評価しており、AWSに代わる選択肢として十分だとしている。「Microsoft Azure」の短所はドキュメントやサポート、継続的な拡張にある。さらに、パートナー企業は緊密な統合に向けた専門知識という点で難がある。
  • Googleはビッグデータやバッチ処理に対する優れた選択肢になるとされている。Gartnerによると、Googleの長所はそのビジョンにあり、同社はクラウドネイティブなアプリに対する理解も深いという。また、Googleは機械学習やアナリティクスの面でも評価されている。ただ、この業界のリーダーに分類されている企業が有している機能に相当するものすべては備えていないため、大企業や中規模企業を強く魅了することに苦労しているのが難点だ。

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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