ミツカングループは受注・在庫管理システムを構築した。30年以上運用してきたホストシステムを刷新し、2015年11月末に新システムに移行、ランニングコストを75%削減している。新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)が8月4日に発表した。
ミツカングループは、ホスト上の基幹業務システムを順次オープン系システムへ移行してきており、その最終段階が、今回のドライ食品の受注・在庫管理システムの移行だった。このシステムは、長年の改修で機能が複雑化しており、ドキュメントの整備も追い付いておらず、詳しい技術者の暗黙知での運用に依存していた。
NSSOLは、オフショア開発でコスト効率を高めながら、旧ホストシステムの仕様を明確化した上で、使われなくなった機能を省いた新システムをスクラッチで再構築することをミツカングループに提案した。これに対し同グループは、新システムへの移行目的である「ホストランニングコストの削減」「プロジェクトマネジメント標準の定義」などを効果的に達成できると評価した。
構築フェーズでは、.NETをベースにした独自の開発フレームワーク「AmiNavire」を活用するとともに、NSSOLの社内クラウド上の独自開発環境「NSSDCクラウド」で中国の開発拠点と連携し、システム品質を向上させた。
オープン系システムへ移行したことで、ミツカングループはIT環境変化への対応を実現し、ドキュメント類の整備を通じたベテラン社員と若手社員とのノウハウ共有などで、情報システム部の組織対応力強化やプロジェクトマネジメント標準の定義も達成された。
ミツカングループは今後、運用管理の強化、必要に応じた機能改修によって、システムの安定性をこれまで以上に向上させていく方針だ。