Kleyman氏は「データセンターインフラを適切に設計すれば、停止時間の削減と、ワークロードの最大化、管理の簡素化、コストの削減が実現できる」と述べている。
とはいえ、データセンターにおけるロボット工学の採用にはいくつかのリスクも伴う。Kleyman氏は「この種のアーキテクチャにはメリットとほぼ同じくらいのチャレンジも存在する」と述べている。1つには、これが極めて革新的な考えであるため、学習期間を必要とするうえ、未知のものに対するリスクも存在するという点がある。
また、企業はロボット工学の力を最大限に活用するために、データセンターを大々的に改修する必要が出てくる。現代のラックやサーバ機器は、ロボットによる制御を念頭に置いて設置されているわけではないのだ。
Kleyman氏は「ロボットがその役割を効率的に果たせるように、配線やネットワーク系統を見直す必要があるだろう」と述べている。これにより事前のコストと投資が発生する。同氏は「投資対効果に見合う適切なユースケースにロボット工学を導入しなければならない理由がここにある」と述べている。
ただKleyman氏によると、こういったハードルは大手のデータセンター企業やプロバイダーがロボット工学の活用方法の探求をためらう理由とはなっていないという。同氏は、IBMやGoogle、Facebookをはじめとする複数の企業が、ロボット工学を手がける企業と連携し、これら新技術がどういった部分で実際に適用できるのかを見極めようとしていると述べている。
今後、データセンターにかかわるより多くの企業が効率を向上させるための方法に目を向けるようになるだろう。それとともに、データセンターにおけるロボット工学についての議論が高まっていくはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。