Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、SGIを2億7500万ドルで買収する予定であることを明らかにした。
この金額は1株あたり約7.75ドルに相当する。この買収の目的は、HPEのビッグデータ市場およびハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)市場における競争力を強化することだ。米国時間8月11日のSGIの終値は5.99ドルだった。
近年のSGIはHPC市場を主戦場としており、2016会計年度の売上高は約5億5300万ドルだった。同社は世界に1100人の従業員を抱えている。
HPEによれば、SGIの買収は同社のデータセンター事業、HPC事業、ビッグデータ事業を補完するものになるという。SGIはHPC向けのサーバ、ストレージ、ソフトウェアを販売していた。
HPEの計画では、当面は両社の製品ポートフォリオと市場展開戦略の統合が進められることになる。買収成立後1年目は決算に影響しないが、2年目以降は影響が次第に大きくなっていくとしている。買収はHPEの2017年第1会計四半期中に完了する見込みだ。
近年のSGIの事業は不安定だった。2012会計年度の売上高は7億5300万ドル、2013会計年度は7億6720億ドルだったが、2014会計年度には5億2990万ドルに落ち込んでいる。2014会計年度と2015会計年度に多額の損失を計上したが、2016会計年度には、小幅ながら非GAAPベースでの黒字が予想されていた。
今回の買収は、波乱が多かったSGIの歴史に幕を引くことになる。SGIは1981年に設立され、3Dグラフィック用のワークステーションで有名になった。しかし1990年代中盤には、3D市場でIntelとMicrosoftの製品を使用したシステムが主流となった。SGIは2009年に倒産してRackable Systemsに買収され、同社がSGIの社名を引き継いだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。