CA Technologiesはシンガポールで8月2日、同社の後援によって調査会社The Economist Intelligence Unit(EIU)が世界規模で実施した調査の、アジア太平洋日本(APJ)地域における結果を発表した。本調査のレポートは「App Nations: Start-Ups, States and Enterprises」としてまとめられており、政府、大企業、スタートアップ企業などの主要プレーヤーが、アプリケーションを通じて新たなビジネス領域を拡大するビジネスモデルを指す「アプリケーション・エコノミー」をどのように位置付けているのかを明らかにしているという。8月22日、日本語の抄訳を伝えた。
調査によると、APJ地域において公共/民間セクターでは広範囲に協業が浸透しており、政府回答者の95%、大企業回答者の90%、そしてスタートアップ企業回答者の81%以上がこれら3グループ間で協業が行われていると回答している。さらに、アプリケーション・エコノミーの成長を促進する上で、政府回答者の74%以上が、アプリケーション関連のスタートアップ企業は不可欠で重要な存在であるという考えを示しており、同じく79%が、アプリケーションベースの製品とサービスを提供する大企業についても同様であると回答している。
一方で、ほぼ全ての回答者には依然として多くの改善が必要であるとの認識もみられる。政府回答者の48%が、アプリケーション・エコノミー成長の最大の障壁として、教育や研修制度の欠如による技術者の不足を挙げているほか、政府回答者の3分の1が公的資金の欠如を指摘した。
そのほか、本調査で明らかになった主な内容は以下の通り。
- 政府回答者の85%は、技術分野が重要、また、APJ地域の経済成長に不可欠な推進要因でもあると考えている。
- 政府回答者の71%は、アプリケーション・エコノミーが雇用の増大、経済的競争力、あるいは国民へのより良いサービス提供に肯定的な影響を与えていると考えている。
- 政府回答者の57%は、その管轄内にアプリケーション・エコノミーに関する個別の取り組み、方針、規制が存在することを指摘している。
- 大企業の87%、スタートアップ企業の64%は、相互の関係が有益であると見る一方で、協業相手との競争上の脅威が存在することも同時に認識している。
- 大企業の67%、スタートアップ企業の57%は、サイバー・セキュリティのリスクが今後2年間で増大し、事業成功への脅威になると予測している。
CA Technologies は「APJ地域の国々で、デジタル・トランスフォーメーションが不可欠な要素となっている事実に直面おり、アプリケーション・エコノミーではあらゆる企業がソフトウェア企業になるので、デジタル化の能力向上が競争に勝ち残るための鍵であると説明。政府、スタートアップ企業、そして大企業でさえ、この必要性を理解し始めるだけではなく、技術統合やBtoBセールスなど、他社と提携することで成長を促進すると指摘している。
EIUは『The Economist』の発行元であるThe Economist GroupのBtoB部門。今回の調査は5月と6月に実施され、アプリケーション・エコノミーのトピックに関して世界各国の組織を対象に実施した。回答した組織は3つのカテゴリーに分けられ、政府系125組織、大企業127社、そしてスタートアップ企業125社の、合計377組織。