カナダ・トロント発--The Linux FoundationのエグゼクティブディレクターJim Zemlin氏は「LinuxCon」で「Linuxはあらゆる人の期待を上回る成長を遂げ、史上最も成功したソフトウェアプロジェクトとなっている」と述べた。同氏のこの言葉は的を射ている。
「Android」搭載スマートフォンからスーパーコンピュータ、クラウド、自動車に至るまで、Linuxは常にさまざまな場所で稼働しており、オープンソース革命の申し子と言える存在になっている。
Linuxカーネルに関する最新のレポート「Linux Kernel Development - How Fast It is Going, Who is Doing It, What They Are Doing and Who is Sponsoring the Work」(Linuxカーネルの開発--その開発速度と、誰が参加しているのか、何を行っているのか、誰が支援しているのか)では、Linuxがいかに急速に変化しているかが詳細に解説されている。同レポートによると、過去18カ月間で260万行近くのコードがLinuxカーネルに追加され、パッチは1時間に平均7.8回のペースで当てられていたという。
2014年12月7日に「Linuxカーネル3.18」が公開されて以来、500社近くの企業に籍を置く5062人にのぼる開発者からの変更セットが11万5000件近くマージされている。これら開発者の数が多い企業の上位5社は上から順にIntel、Red Hat、Linaro、サムスン、SUSEとなっている。また、大企業に勤める何千人という数の開発者が個人としてLinuxカーネルの開発に携わっている。
とはいえ、カーネル開発の80%以上は、その作業に対価が支払われている開発者の手によるものであり、対価が支払われていない開発者の割合は、何年も前から徐々に低下してきている。同レポートの2012年版では14.6%だったが、2013年には13.6%、2014年は11.8%だった。そして今回のレポートが対象とする期間では7.7%にまで低下している。こうした低下の背景にはカーネル開発者の不足と、その需要の高さがある。Linuxカーネルのメインラインにマージできるような品質のコードを記述できる開発者は引く手あまたなのだ。
Linuxカーネルの主要開発者たちは、世界で最も影響力のあるプログラマーだ。
提供:The Linux Foundation