ここ1年半の間に、Linuxは多くの著しい進歩を遂げた。こういった進歩には以下の内容が含まれている。
- ライブパッチ機能のサポート
- 不揮発性メモリ搭載デバイスのサポート
- ext4ファイルシステム対応の暗号化ストレージのサポート
- カーネル内の拡張セキュリティモジュールにおける拡張バークレーパケットフィルタ(eBPF)の採用
- IPv6や、データセンター向けの改良を念頭に置いた、さまざまなネットワーク機能の強化
また、Linuxのセキュリティの向上にも目が向けられ、ハードウェアベースのさまざまなセキュリティ機能がサポートされるようになった。これには、Intelの「Intel MPX(Memory Protection Extensions)」やメモリ保護キー、そしてARMの「Privileged Execute Never(PXN)」を用いるメカニズムも含まれている。
さらにカーネル自体のセキュリティも強化され、脆弱性が存在している場合であっても、システムの乗っ取りを難しくしている。これは主に、長期にわたる「grsecurity」プロジェクトの成果を統合することで実現されている。
大局に目を向けた場合、どのようにしてLinuxが単なるオープンソースソフトウェア開発のモデルではなく、あらゆるソフトウェア開発のモデルになり得たのかという疑問が頭をもたげてくる。Zemlin氏は、Linuxにまつわる教訓として「他者を育てることで、自らも同時に育っていく」と述べている。
Zemlin氏は「共有は大変な作業だ」と付け加えたものの、その作業は「良い」という言葉が持つ、あらゆる意味での良さを持っているのだという
Zemlin氏は「自らと他者を育てながら共有するというのは、より高次の目的に向かうことであり、重要なことでもある。これがLinuxとオープンソースのマジックであり、Linuxというムーブメントが過去25年間にわたって成し遂げたことでもある」と続けている。