SAPが、ビックデータと分析を利用して食に関する情報のデジタル化とパーソナライズ化を進めるVivandaへの投資を明らかにした。投資金額などの詳細は非公開だ。
SAPの動きは、表面上は食品と消費財業界向けの取り組みを強化するための投資と思える。しかし、SAPはVivandaの「FlavorPrint」技術との密な協業が可能になると説明している。FlavorPrintは、パーソナライズされた食品や飲料のレコメンデーションを可能にする技術だ。
SAPにしてみれば、Vivandaへの投資はHANA技術活用のための方法の1つである。Vivandaにとっては、より多くの消費財企業にAPI、コンサルティング、分析サービスを提供するためのリーチ拡大にあたって、大きなパートナーを獲得したことを意味する。
興味深いのは、食品と消費財業界の刷新を試みるVivandaのやり方だ。同社はパーソナライズされた食品の予測サービスとシステムを提供し、リサーチ、科学に基づいたデータや食の選択に関するデータを扱うアルゴリズムを持つ。FlavorPrintは食品とフレーバーゲノム、1万6000種の香料、33種のフレーバー、17種の物性、栄養、原材料をマッピングする。
FlavorPrintモデルは以下のような流れで作成される。
- 食品の属性を識別し、コンシューマーの嗜好プロファイル、製品、料理、レシピ、飲料にモデリングする。
- 「プリンティング」と称するプロセスで、アルゴリズムを用いてFlavorPrintを人や食品ごとに割り当てる。FlavorPrintはUPCコードや指紋のようなものだ。
- 機械学習技術を用いて、人や食品ごとに食感と味に関する嗜好や特性を分析する。
- 顧客は、どのような味がトレンドなのか、人口属性ごとによく口にする食品の傾向は何かなどの結果を得られる。これを利用して、食品や飲食体験をマーケティングできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。