海外コメンタリー

マイクロソフトは本当に変わったか--オラクル出身幹部が語るMS×Linuxの今 - (page 2)

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-08-29 06:00

 Microsoftはクラウドをオープン化する以上の取り組みを進めている。同社は未来をオープンにしようとしている。「MicrosoftはWindows開発者に対してLinuxのトレーニングを施している。その際は、経験を積んだLinux開発者とペアを組ませている。彼らのパッチはMatthew(Wilcox氏、主要なLinuxカーネル開発者の1人)がレビューしたあと、Linuxカーネル開発者に送られるようになっている」(Coekaerts氏)

 ただし、これはMicrosoftが自社製のLinuxを作ろうとしているということではない。Coekaerts氏は「何事もあり得ないということはないが、今のところそのような計画はない」と述べている。Microsoftは現在、「CentOS」「CoreOS」「Debian」「openSUSE」「Oracle Linux」「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)「Ubuntu」をサポートしている。

 また同社は、Linux開発者の縄張りに積極的に出向こうとしている。これは「Linux開発者たちに、microsoft.comのブログを見てもらえるとは思っていない」ためだという。

 Microsoftの未来は「WindowsとLinux」の両方に掛かっているとCoekaerts氏は考えている。結局の所、「LinuxはMicrosoftでの日常の一部」だというわけだ。

 しかし、人々はこれを信じるだろうか?MicrosoftがLinuxやオープンソースソフトウェアを本気で支援していると世界を納得させる方法は1つしかない。「Microsoftは、それをコードで証明する」と同氏は言う。

 「Microsoftはすでに多くのことをしてきたが、すぐに、もっと多くの取り組みを見せていく。当社は以前とは違う会社であり、今こそそれを証明するときだ」とCoekaerts氏は講演を締めくくった。MicrosoftとLinuxの縁組みはうまくいくのだろうか、それとも見苦しい離婚に終わるのだろうか。次第に明らかになるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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