企業においてコグニティブコンピューティングの技術を現場に応用できるとすれば、この人間と機械の共同作業だろう。以下では、最善の結果を得るためにこれを行うための3つのヒントを説明する。
1.特定のビジネスケースやアプリケーションに焦点を絞る
IBM Watsonを医療に応用した事例では、医師に情報を提供し、診断を支援することに焦点を絞っていた。このアプリケーションを利用する医療関係者は、診断プロセスにおけるWatsonの正確な役割、そして自分の専門的な作業にWatsonがどう適合するのかを正確に理解している。
同様に、企業が扱う他のケースでも、業務における焦点を絞ったコグニティブ技術の位置づけとその役割が把握されていく必要がある。これはまず、ユーザーがコグニティブ技術の使い方と、期待されるメリットを正確に理解することから始まる。
2.アプリケーションを使いやすいものにする
コグニティブコンピューティングを用いた業務プロセスに対するユーザーの入出力は、シンプルで分かりやすいものでなくてはならない。例えば、マウスをクリックしたり、テキストを入力したりといった単純な操作で利用できる必要がある。入出力の「オーバーヘッド」が大きすぎれば、利用しようという意欲が抑制されてしまう。高価なツールであっても、使われなければ投資を取り返すことはできない。
3.指標と期待される成果を定めてから、成果を評価する
例えばユーザーが運送業者であり、目標が機材とインフラの保守にかかる経費と時間の削減であれば、コグニティブコンピューティングツールを使うことで、保有する資産を評価し、どの資産に交換や保守が必要かを予測して、故障時間や保守作業にかかる時間を削減する予防的アクションを推奨できるだろう。
コグニティブ技術を実装するにはまず、目標を設定し(例:保守にかかる費用と時間を20%削減する)、実装前に保守にかかっていた時間と費用を計算し、実装後に期待された削減幅が実現できたかどうかを評価すべきだ。こうして初めて、目標が達成できていない場合に、期待される水準を達成できるよう、プロセスを再評価(またはデバッグ)することができる。
結論
結局のところ、コグニティブ技術に対する投資が成功するかどうかは、業務プロセスにおけるコグニティブコンピューティングの役割をどのように設計し、マンマシンインターフェースどう定義するかにかかっている。コグニティブコンピューティングに対する投資の成功率を上げるには、適切なマンマシンインターフェースを用意することが重要だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。