小売業で世界的に進む改革の方向性--オムニチャネルにフォーカスするSAP - (page 3)

末岡洋子

2016-08-26 08:47

--オンラインと物理店舗の売り上げ比率は今後どのように推移していくとみている?

 欧州では、小売業は平均して95%の売り上げがいまでも実店舗からだ。オムニチャネルを積極展開している小売業でも90~92%が実店舗から。この状況を活用して、オンラインで測定できるクリックストリームやカートに入れたまま買わなかったアイテムなどの情報を物理世界で生かすことができる。

 オンラインと実店舗の売上比率はあまり関係なく、どこでスタートしてもプロセスは同じ。すべてのチャネルで同じコンテンツ、同じ価格、同じパーソナライゼーションを提供することが大切で、Hybris Commerce、Hybris Marketingがプロダクトのコンテンツ管理を支援する。さらには、オーダー管理、価格エンジンも統合できる。これは、大きな価値創造につながっている。

 SAPのソフトウェアでは意図的に、需要が生まれるところと需要が満たされるところを分けている。これは統合されたプラットフォームだからできることだ。

 S/4 HANAによりビジネスデータを同じデータベース技術で利用できるため、分析、予測分析ができストアのヒートマップのようなものをつくることもできる。ある欧州のスーパーマーケットチェーンでは、ランチ時間に来客する顧客を引きつけることを狙ってビーコン技術を使って何が起こっているのかを調べた。得られた結果からストアの商品陳列を変えて、大きな効果が得られたと聞いている。

 ストアの果たす役割は大きく変わると見ている。現在ほどの数は必要ないかもしれないが、だからといって店を閉じてオンラインにかけるというのはリスクが大きい。ストアが体験の場、ショールームの場になるということも考えられる。

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