誤送信の問題
他に現状のメッセージツールでの大きな課題というと誤送信の問題がある。
たとえ登録した相手にしかメッセージが送れないとしても、間違った相手にメッセージを送ると、特にビジネスの場面では大きなトラブルになりかねない。
送信後に再度宛先などを確認させるようなシステムを導入している組織も多いと思うが、送信頻度が高いとこうしたチェックはどうしてもおざなりに[OK]を押しがちになってしまう。
UXとしても「二度手間感」があり、改善の余地がある。
まとめ
見てきた通り、いろいろな課題を抱えるコミュニケーションツールであるが、次に現れるのはどういうシステムだろうか。
現れたときにはぜひ、送り手と受け取り手のUXという観点に注目して見ていただきたい。
こうしたツールの枠組みは人と人とのコミュニケーション以外にも拡張されている。
「サービスや機能を利用する」ためにメールを活用したり、チャットシステムからさまざまなオペレーションを行ったりするようなものもある。
こうした領域もさらに広がり、これまで想像しなかったようなUXをもたらすかもしれない。
- 綾塚 祐二
- 東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修了。ソニーコンピュータサイエンス研究所、トヨタIT開発センター、ISID オープンイノベーションラボを経て、現在、株式会社クレスコ、技術研究所副所長。HCI が専門で、GUI、実世界指向インターフェース、拡張現実感、写真を用いたコミュニケーションなどの研究を行ってきている。