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事業会社で取り組むデータ分析の実際

データ活用を阻む、情報のサイロ化とその解決 - (page 3)

伊藤徹郎

2016-09-20 07:00

 筆者の経験による見解としてはこの問題を解決するにはやはり部門間のボトムアップによるプロジェクト進行がもっとも効果的だと感じています。トップダウンによる進め方だと形骸化しやすい傾向にあるのではないかと考えるためです。

 これを防ぐ手立てとして最近の企業の取り組みの例をあげれば、オフィスの設計の段階で回避するようにすることがあります。例えば色々な部署の人が集まりやすいようなスペースを作ったり、そのようなイベントを開催するのも良いでしょう。また、もう少しカジュアルにできそうな施策としてはシャッフルランチのようなことを推奨すると効果的です。

 業務上ではどうしてもコミュニケーション内容を制限してしまいがちですが、食事を一緒にすることで、その人となりを知れることになり、結果円滑にコミュニケーションも進むようにもなります。

 組織的なアプローチで言えば、複数人数のスモールチームで機動的にプロジェクトに取り組むようにすること。そして、360°評価などを実施し、チームメンバーが自身に対してどのように認識しているかをフィードバックしてもらう仕組みを整えておくと良いでしょう。自己の認識と他者の認識とは往々にしてズレたりします。定期的にこのズレを解消できるような仕組みを導入することでチームメンバーとの結束力が増し、サイロ化も防ぐことにつながることもあります。

 しかし、あくまで一例なので全てを解決できる銀の弾丸のようなものではありません。一番重要なのはそれぞれのメンバーが他のメンバーに対する配慮やリスペクトを欠かないように意識することです。配慮のために他のメンバーや他部署の状況がわかるようにし、全社における情報共有の仕組みも整備し、なるべく何に取り組んでいるか可視化することが有効です。

 ウェブ系の企業でよく使われているのはQuiita teamやesaなどのMarkdown形式で記述のできる情報共有ツールが多いです。ブログ感覚で気軽にナレッジをシェアすることによって、上記のようなサイロ化を未然に防ぐ取り組みも重要です。このようにウェブ上にナレッジシェアするのが苦手だという企業もいると思います。そういう場合は定期的に知見共有会などのイベントを開催すると良いでしょう。

 別の部署がどのような取り組みを実施しているかを定期的にシェアすることで思わぬシナジー効果を発揮することもありますし、先進的な取り組みをしている部署があればその手法を真似ることもできます。比較的取り組みやすい事例だと思いますので、ぜひ試してみてください。

伊藤徹郎
インターネット金融グループを経て、データ分析企業でデータアナリストとして様々な業種の企業を支援。その後、大手レシピサイトでデータ分析やディレクター業務などを経て、現在はFinTech企業でデータ分析やサービス開発などに従事。RとSQLをよく書いている。

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