海外コメンタリー

トーバルズ氏がLinuxとGPLについて真に思うこと - (page 3)

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-09-01 06:30

 Kuhn氏はその後の議論で「他のコピーレフトコードでは起こらなかったことが、この10年で起こっている。具体的には、Linuxに対して業界の大手企業と中小企業の双方が意図的にGPLを侵害し、準拠を拒否し、正面切って『われわれがGPLに従わないといけないと思っているのか?オーケー、では訴えてみたらいい。そうでなければ従うものか』と言ってのけている」と記している。このためKuhn氏は「われわれには2つの選択肢がある。GPLを捨て去るか、裁判所命令を勝ち取って強制するかのいずれかだ」と結論付けている。

 この最後の部分がTorvalds氏の怒りを呼び起こしたのだった。とは言うものの口火を切ったのは、Linuxのリーディングデベロッパーであり、stable(安定版)ブランチのメンテナーでもあるGreg Kroah-Hartman氏だった。同氏は以下のように記している。

 それはデタラメだ。

 正直に言わせてもらうと、もう聞き飽きた。というのも完全に間違っており、GPLによってもたらされた権利を守るための、膨大な数の人々による25年以上にわたる取り組みを矮小(わいしょう)化している。

(中略)

 私は「GPLの強制」に反対するなどと言ったことがない。私はその目的に向けた_あなたがた_のやり方に反対しているのだ。

 理由は以下の通りだ。

 私も「われわれがGPLに従わないといけないと思っているのか?オーケー、では訴えてみたらいい。そうでなければ従うものか」と言われた経験が何度もある。しかし、どうなったと思う?誰も訴えようとはしなかった。そして私は毎回、コードとやり取りする道を選んだ。分かっていると思うが、誰かを法的手段に訴える場合、負けた時の用意をする必要があり、負けた時にはその結果を受け入れなければならない。

 正直なところ、私は負けた時の準備などしていないし、負けた時の結果を受け入れるつもりも一切ない。

 Torvalds氏も全面的に同意している。同氏はLinuxを「GPLのための実験台」にしたいとは考えていない。

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