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公共ICTの現在地--「情報通信白書」を読み解く(2) - (page 4)

田島逸郎

2016-09-12 07:00

訪日外国人からみた日本のICT

 日本を訪れる外国人旅行者が増えており、日本の文化やコンテンツに関する情報へのアクセスの重要性が増している。その実態はどうなっているのだろうか。

 まず、訪日外国人の現況についてまとめる。訪日外国人旅行者の数は2011年の622万人から2015年の1974万人と年々増加しており、旅行収支においても受取が支払を上回った。国別に見ると中国、韓国など8割以上がアジア諸国である。

(総務省)
訪日外国人旅行者数の推移 出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)

 米国、英国、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、インドを対象に実態のアンケート調査が行われている。関心のある文化・コンテンツについては、国、世代を通じて「日本の自然」が最も多く、次に「日本食」が多い傾向にある。アニメ、漫画については中国、韓国の若者層の関心が高い。文化・コンテンツについて情報収集をした媒体については、全体として「自国の放送」が多く、韓国、中国ではウェブ媒体も多い。

 出発前に得た旅行情報源として役に立ったものは、国によって異なる。全体として最も多かったのが「個人のブログ」で、特に韓国、オーストラリアで多い。「口コミサイト」は米国、英国、オーストラリアで最も有用な情報源の1つとなっている。「旅行ガイドブック」も世界的に有用な情報源となっている。この他、日本在住や自国の親族・知人からの情報が米国、英国、ドイツ、オーストラリア、インドで多かった。公的機関などのホームページについては、全体としてそれなりに使われていた。

 在留外国人については、全体として書籍や雑誌の記事、ウェブサイトの割合が高いが、最近日本に来たと思われる者ほどインターネットの利用が高い傾向にある。一方、在留外国人からのソーシャルメディアなどでの情報発信については、観光地などの観光に関する情報、伝統文化、飲食物、暮らしに関する情報が多かった。

まとめ

 本記事ではまずICTの非貨幣的価値についてまとめ、クラウド化やスマートフォンなどがもたらす価値を整理した。その上で、スマートフォンやソーシャルメディアなどの既存の消費者向けサービス、各種公共分野、外国人旅行者にとってICTがどう役立っているかについて紹介した。

 消費者向けサービスでは無料のものが充分に普及したと考えられる一方で、有料の動画配信サービスなどにまだ伸びしろがある。公共分野では、チーム医療、災害対策などで複数の人が協働するプラットフォームとしてウェブやスマートフォンが使われている。外国人旅行者にとって、口コミは重要な情報源となっている。

 これらを見ただけでも、スマートフォンやソーシャルメディアなどがさまざまな分野でさまざまな形をとって社会に影響していることがわかる。そして、これを基盤として人工知能などがさらなる新しい領域を切り拓こうとしている。次回はその新しい潮流や未来像について取り上げる。

田島逸郎
いくつかのスタートアップに関与しながら、スマートフォン情勢に関心を持ち、個人的に調査、記事の執筆などを行っていた。現在は地理空間情報系のスタートアップで、主にGISやオープンデータなどに携わる。

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