SAPが自社インメモリデータベース「HANA」のみで動く「Business Warehouse」のバージョンとなる「SAP BW/4HANA」を発表した。
HANAのみに限定するという動きは、SAPが2014年に「S/4 HANA」で行ったのと同じもので、HANAプラットフォーム上で動く最新のEビジネススイートに顧客を移行させるというのが狙いだ。その結果、SAPについていくことを選択した顧客はOracleなど他のデータベースから移行しなければならない。
SAP BW/4HANAは、データウェアハウス市場でのシェア拡大を狙ったものだ。Amazon Web Services(AWS)上で利用できるほか、SAPによるマネージドクラウドサービスとしても提供される。AWS以外のパブリッククラウド上で利用できるようにする計画もあるという。
SAPでデータ管理とクラウドプラットフォームマーケティング担当バイスプレジデントを務めるKen Tsai氏は、BW/4HANA向けに複数のクラウドを提供する計画だと述べた。今後もSAPはBusiness Warehouseで複数のデータベースをサポートするが、HANAのみに限定することでアーキテクチャを簡素化し、さらなる機能も提供できるとメリットを説明した。
Tsai氏によると、Business Warehouseの顧客数は1万5000社を数え、そのうちの3700社がすでにHANA上で動かしているという。「大規模なインストールベースを考慮すると、BW/4HANAの立ち上がりは速いだろう。BW/4HANA採用を促すプロモーションを積極展開し、顧客にとって魅力的な選択肢にする」とTsai氏は続けた。
BW/4HANAの主な機能は以下の通りだ。
- SQLデータロジックとSAP S/4HANAからのネイティブな情報を組み合わせたHANAビュー
- インメモリによる高速なパフォーマンス
- 再設計されたユーザーインターフェイス
- データの自動パーティショニング
- 統一されたデータロード管理
- レガシーシステムでもデータレークでも格納場所を問わずにデータを利用できる
BW/4HANAのユーザーインターフェース
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。