富士通、Office 365ベースの社内情報共有クラウドを全従業員16万人に展開

阿久津良和 2016年09月01日 18時06分

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富士通 執行役員常務 グローバルマーケティング部門長 阪井洋之氏(左)、日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏(右)

 富士通は9月1日、自社クラウドサービスと「Office 365」や「Microsoft Azure Active Directory Premium」を連携させたデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc」を、富士通グループの全従業員約16万人に展開すると発表。さらに、顧客向けのMetaArcビジネスの拡大に向けて、日本マイクロソフトと連携を強化することを明らかにした。

 富士通は2010年から自社のグローバルコミュニケーション基盤の統一化を始めている。メールやポータルサイト、Lync(現Skype for Business)を使ったウェブ会議、掲示板などをオンプレミスサーバ上に統合した。

 2013年以降は、ナレッジ共有促進と音声システムの見直しを図るため、社内SNSやソフトフォンを導入した結果、95%の従業員がウェブ会議を年間130万回利用し、近年は経営層からのメッセージや従業員同士の情報共有に用いる動画コンテンツ数も1500件まで増加。従業員のエンパワーメントにつながり、2016年6月時点で社内SNSのコミュニティ数は3600件に達している。組織内のプロジェクトや組織横断のワーキンググループで活用することで、社内の共同作業を促進させ、そこから生まれた特許出願数も20件に達したという。

 富士通はこの取り組みをさらに加速させるため、これまでオンプレミスサーバ上で構築してきた自社のグローバルコミュニケーション基盤を、クラウドへ刷新することを今回発表した。

 核となる「Office 365」は、電子メールや従業員のスケジュール管理などを担い、社内SNSは「Yammer」へ移行する。さらに2000を超える他社クラウドサービスとの連携や、マルチクラウド環境でのSSO(シングルサインオン)/多要素認証を実現する「Azure Active Directory Premium」を導入。富士通独自の手のひら整脈認証などとも連携する本システムを、富士通ではデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc」と呼び、富士通グループ約16万人の全従業員に向けて2017年1月から展開を開始し、2017年3月から運用をはじめる。また2018年3月を目標にグローバルへ展開する計画だ。


「MetaArc」の概要

 システムを刷新する効果として、富士通 執行役員常務 グローバルマーケティング部門長 阪井洋之氏は、「オンプレミスだとタイムラグが発生し、個人ごとに環境が異なるケースが散見された。(今回の刷新により)利用者全員が最新機能を利用できると同時に、認証基盤の統一で利便性と安全性が高まる」と期待を示した。コスト面も3割程度の削減を見込んでいるという。

 利用者16万人という大きな導入事例となった本件に対して、日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏は、「最大級の展開。日本マイクロソフトとしてもインパクトは大きい」と高く評価する。

自社運用のノウハウを顧客へ提供、日本MSとサポートで連携

 さらに富士通では、自社内でのMetaArcの運用ノウハウを顧客へ展開し、2018年度までにグローバルコミュニケーション基盤ビジネスで500億円の売上げを目指すとした。これについて平野氏は、「富士通の強みは、経営層に対するビジョン提案。社内導入ノウハウを顧客に提案することで、業務改革やワークスタイル変革支援と同時に、パブリッククラウドが業界の事実上の標準というメッセージにつながる」と述べた。

 MetaArcの顧客サポートの強化に向けて、2社は、富士通の浜松町オフィスにあるFujitsu Digital Transformation Center(DTC)と、日本マイクロソフトの品川オフィスにあるMicrosoft Technology Center(MTC)を連携させた「デジタルトランスフォーメーションコネクトプログラム」を提供することも発表した。


DTC Studio Cの様子。最新ICTの体験デモンストレーションなどを交えて、2時間ほどのレクチャーが受けられる

 同プログラムは、ワークショップ型のデザイン思考アプローチで、顧客に対して先端技術の体験と課題解決支援を提供する。MTCではMicrosoftのグローバル経営レファレンスや、最新技術、ソリューションの提供、セキュリティ対策を体験できる環境を提供。一方のDTCは共創ワークショップ空間として運用し、顧客の課題解決支援を行う。同プログラムについて各登壇者は、「年間200件のデジタル革新の案件を生み出したい」(阪井氏)、「相乗効果で顧客にデジタル革新を提案できる」(平野氏)、「体感することで将来的な道標を実感できる場所となる」(Microsoft ASIA President and Microsoft CVP Ralph Haupter氏)と抱負を語った。

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