Adobe Systemsが、「Netscape Plugin Application Programming Interface」(NPAPI)をサポートしたLinux向け「Flash Player」の新バージョンをベータチャネルで公開したと発表した。同社は過去に、NPAPIのサポートを2017年に終了すると発表し、同インターフェースをサポートするLinux向けFlash Playerのアップデートを4年前から停止していたが、今回その方針を180度転換すると述べている。
過去4年間、Linux上ではNPAPIをサポートしたFlash Playerのバージョンは11.2のまま据え置かれ、「Chrome」や「Chromium」ブラウザ上で動作する「Pepper Plugin Application Programming Interface」(PPAPI)をサポートしたバージョンのみ開発が継続されていた。しかし今後は、NPAPIをサポートしたFlash Playerに対する開発にも力を入れ、テスト用のバージョンを公開していくという。
同社は、この方針転換を発表したブログで、NPAPIとPPAPIそれぞれに対応したバージョンを今後、歩調を合わせて定期的に公開していくと約束している。
ただ、PPAPIをサポートしたFlash Player上で既に実装されている、GPUによる3Dアクセラレーションや、動画のデジタル著作権管理(DRM)といった一部の機能は移植されないという。
NPAPIをサポートしたFlash Playerのアップデートがなされなくなった4年間のうちに、Linux上で最もよく使用されている、PPAPI非対応のブラウザ「Firefox」からNPAPIプラグインとFlashのサポートを廃止するという決定が下されている。
Firefoxでは2017年中にFlashがデフォルトで無効化される予定であり、ユーザーは明示的に有効化しなければFlashコンテンツを利用できないようになる。Firefoxの開発元であるMozillaは、「ユーザーエクスペリエンスにとって必要不可欠なものではない」と判断したFlashコンテンツのブロックを8月から開始する予定だったが、作業は現在も継続中だ。
ブラウザを手がける企業はここ数年、NPAPIを完全に廃止する方向に進んできている。FirefoxではFlash以外の、NPAPIを利用したプラグインを利用するには明示的にクリックする必要があり、ChromeではNPAPIのサポート自体が廃止されている。
Oracleは1月、9月にリリース予定の「Java Development Kit 9」(JDK 9)でJavaブラウザプラグインを非推奨とし、その後のリリース(現時点では未定)で廃止すると発表した。
Googleは8月、解析目的で使用されるFlashのブロックを開始すると発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。