アドビ、NPAPIをサポートしたLinux向け「Flash Player」の開発を継続へ

Chris Duckett (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-09-07 10:38

 Adobe Systemsが、「Netscape Plugin Application Programming Interface」(NPAPI)をサポートしたLinux向け「Flash Player」の新バージョンをベータチャネルで公開したと発表した。同社は過去に、NPAPIのサポートを2017年に終了すると発表し、同インターフェースをサポートするLinux向けFlash Playerのアップデートを4年前から停止していたが、今回その方針を180度転換すると述べている。

 過去4年間、Linux上ではNPAPIをサポートしたFlash Playerのバージョンは11.2のまま据え置かれ、「Chrome」や「Chromium」ブラウザ上で動作する「Pepper Plugin Application Programming Interface」(PPAPI)をサポートしたバージョンのみ開発が継続されていた。しかし今後は、NPAPIをサポートしたFlash Playerに対する開発にも力を入れ、テスト用のバージョンを公開していくという。

 同社は、この方針転換を発表したブログで、NPAPIとPPAPIそれぞれに対応したバージョンを今後、歩調を合わせて定期的に公開していくと約束している。

 ただ、PPAPIをサポートしたFlash Player上で既に実装されている、GPUによる3Dアクセラレーションや、動画のデジタル著作権管理(DRM)といった一部の機能は移植されないという。

 NPAPIをサポートしたFlash Playerのアップデートがなされなくなった4年間のうちに、Linux上で最もよく使用されている、PPAPI非対応のブラウザ「Firefox」からNPAPIプラグインとFlashのサポートを廃止するという決定が下されている。

 Firefoxでは2017年中にFlashがデフォルトで無効化される予定であり、ユーザーは明示的に有効化しなければFlashコンテンツを利用できないようになる。Firefoxの開発元であるMozillaは、「ユーザーエクスペリエンスにとって必要不可欠なものではない」と判断したFlashコンテンツのブロックを8月から開始する予定だったが、作業は現在も継続中だ。

 ブラウザを手がける企業はここ数年、NPAPIを完全に廃止する方向に進んできている。FirefoxではFlash以外の、NPAPIを利用したプラグインを利用するには明示的にクリックする必要があり、ChromeではNPAPIのサポート自体が廃止されている。

 Oracleは1月、9月にリリース予定の「Java Development Kit 9」(JDK 9)でJavaブラウザプラグインを非推奨とし、その後のリリース(現時点では未定)で廃止すると発表した。

 Googleは8月、解析目的で使用されるFlashのブロックを開始すると発表した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]