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日本株展望

チャイナリスクとアメリカンアノマリー

ZDNet Japan Staff

2016-09-09 10:51

 9月8日の日経平均は前日比53円安の1万6958円と小幅ながら続落した。9月20、21日に日米で開催される金融政策会合(日銀の金融政策決定会合とFRBのFOMC)を控えて不透明感が強い中、為替がややドル安・円高に転じていることが日経平均の上値を押さえた。

 ただ、7日に日銀が従来と比較してやや規模が大きいETF買い(733億円)を実施したことによる需給期待や、任天堂の株価高騰が相場の下支え要因となった。このことについて、楽天証券経済研究所シニアグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

 日本時間5時30分時点で、ドル円は102.48円、CME日経平均先物(9月限)は1万6990円で推移している。

中国関連株がTOPIX(市場平均)より優勢

 最近の国内株式市場では「中国関連株」の戻りが目立っている。2016年下期(7月以降の2カ月強)をみると、日経中国関連株指数が市場平均(TOPIX)より優勢に推移している(図表1)。この指数は、国内主要企業の中から、中国で積極的に事業展開を進めている50銘柄で構成されている指数だ。

 上海総合指数や香港ハンセン指数が一時期の低迷から脱した一方、今週初に開催されたG20(杭州サミット)に向け、中国政府が鉄鋼産業などの生産過剰解消(構造改革)を進め、公共投資を積極化するとの見方が支えとなってきた。

 いわゆる「チャイナリスク」は、2016年前半まで日本株の上値を抑える悪材料だったが、中国市場の安定化で買い戻しが出てきたことに注目したい。

図表1:中国関連株指数の推移(2016年6月末=100)

(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(9月7日))
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(9月7日)

中国市場が落ち着きを取り戻している

 中国株式市場で、上海総合指数の安定や香港ハンセン指数の持ち直しが鮮明となっている。この背景には、中国経済の先行きをめぐる過度の悲観が後退していることが挙げられる。「中国市場の恐怖指数」と言われる「Chinese Volatility Index」(オプション市場のインプライドボラティリティ指数)は、チャイナリスクが世界株式の弱気要因となった2015年夏や2016年初めと比べて著しく低下してきた(図表2)。

 恐怖指数の低下は、中国市場をめぐる先行き警戒感(不透明感や不確実性)の後退を示唆している(図表2)。もちろん、中国経済が抱える構造問題(地方政府や不動産部門の不良債権問題、シャドーバンキング、重厚長大産業におけるゾンビ企業処理に伴う潜在的雇用悪化など)が解決したわけではない。

 欧米の需要不振で輸出部門の鈍化が続いており、鉱工業生産活動も停滞。実質成長率は減速基調にある。ただ、「輸出・投資主導型経済成長」から「個人消費・サービス産業主導型経済成長」への転換を進める中国政府は問題の所在を把握しており、必要な政策対応(金融緩和、インフラへの公共投資を含む財政出動)をトップダウンで実施する余地があると言われている。

 「チャイナリスク」をめぐる過度の悲観に歯止めがかかり、ソフトランディング(中国経済の軟着陸)観測が広まってきたことが、上海総合指数や香港ハンセン指数だけでなく世界株式の底堅さを支えている一因になっていると考えられる。

図表2:上海株式指数、香港ハンセン指数、中国市場の恐怖指数

(注)「恐怖指数」=オプション市場で計算されているインプライド・ボラティリティ
(注)「恐怖指数」=オプション市場で計算されているインプライド・ボラティリティ
(予想変動率)指数の俗称。同指数の上昇は投資家の先行き警戒感が強まっている状況を、指数の低下はリスク選好度の回復を示すとされる。
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(9月7日時点)

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