WordPressは米国時間9月7日、同社のコンテンツ管理システム(CMS)で発見された深刻な脆弱性に対処するアップデートを公開した。同社はウェブ管理者に向けて、すぐさまアップデートを実施するよう呼びかけている。
「WordPress 4.6.1」とともに公開されたセキュリティアドバイザリによると、このアップデートはクロスサイトスクリプティング(XSS)を可能にする脆弱性と、パストラバーサル関連の不備という、2つの深刻なセキュリティ上の問題に対処しているという。
XSSを可能にする脆弱性は、7月にオランダのセキュリティ関連コミュニティーが開催したバグ発見プログラム「Summer of Pwnage」において、SumOfPwnの研究者であるCengiz Han Sahin氏が発見したものだ。この脆弱性を悪用することで、攻撃者はある種の仕掛けを施した画像ファイルを作成してWordPressにアップロードするという手段によって、悪意のあるJavaScriptコードを注入できるようになる。
この脆弱性を悪用すれば、遠隔地から悪意のあるコードを実行できるだけでなく、セッショントークンやログイン認証情報の奪取を含むさまざまな攻撃が可能になる。
パストラバーサルに関する深刻な脆弱性は、アップグレードパッケージのアップローダ内に存在している。これは、WordPressセキュリティチームのDominik Schilling氏によって発見された。
WordPressによると、これらの問題は4.6.1よりも前のすべてのバージョンに存在しているという。また同社は今回のアップデートで、「WordPress 4.6」に存在している15件のバグについても修正している。こういったバグには、サーバの設定時における電子メール関連の問題や、アイキャッチ画像(サムネイル)のプレビュー時におけるおかしな挙動、プラグインインストール時に発生する無限ループの問題などが含まれている。
WordPress関連の脆弱性としてはこの他にも6月に、「WP Mobile Detector」プラグイン内でゼロデイ脆弱性が発見されている。その際には、同製品が稼働する1万以上のウェブサイトに危険が及んでいるとセキュリティ研究者らは警告していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。