(2)9月中間配当の権利落ち(予想額)は130円
現時点で、日経平均先物(12月限)は日経平均(現物)よりも約130円価値が低いわけだ。その理由は9月中間決算での配当金にある。
日経平均(現物)を保有していると、9月中間配当の権利落ち日(2016年は9月)に、中間配当金を受け取る権利が得られる。ところが、日経平均先物(12月限)を保有していても、9月中間配当金を受け取る権利は得られない。
日経平均先物(12月限)は、12月8日まで取引が可能。12月9日のSQ値(特別精算値)で精算される。SQ値は日経平均採用銘柄(225銘柄)の12月9日の初値を組み合わせて計算される。
日経平均先物(12月限)を保有していると、12月9日の初値まで日経平均(現物)の上昇下落を全て同じだけ受ける。ただし、配当金を受け取れない分だけ日経平均(現物)よりも不利になる。
2016年の日経平均の9月中間決算の予想配当金は130円。従って、現時点で先物(12月限)の理論値は、日経平均よりも130円低い水準となるわけだ。
ところが、9月28日以降は先物理論値と日経平均現物価格がほぼ同値となる。9月27日までに日経平均(現物)を買えば、9月中間配当金を受け取る権利が得られるが、権利落ち日の9月28日に日経平均現物を買っても配当金を受け取る権利は得られないからだ。
9月28日から12月9日(先物12月限の精算値計算日)まで、日経平均先物を保有しても日経平均を保有しても、どちらも9月配当金が得られないという点で同じになる。従って、9月28日以降は両者はほぼ同値で推移することになる。
参考:日経平均先物(12月限)の理論値の計算方法
詳しい説明は割愛し、計算式だけ掲載する。
(日経平均先物12月限理論値)=(日経平均の値)ー(12月8日まで日経平均現物を保有することで得られる配当金予想額)+(日経平均現物を購入するのに必要な現金を12月8日まで短期金融市場で運用したときに得られる利息)
現在、短期金利はほぼゼロなので、金利要因は無視しても大丈夫である。配当落ちは3月と9月が特に大きい。6月や12月にもある。
東京市場の取引時間中は、日経平均先物が理論値から大きくかい離することはない。かい離すれば裁定取引が入り、先物は常に理論値の近くに維持される。ただし、東京市場の現物取引時間が終了すると(15時以降)、日経平均先物は理論値からかい離して動くようになる。裁定取引が入らないので、大引け後のニュースに反応して動くわけだ。
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