Microsoftは米国時間9月14日、「.NET 4.6.1」向けや「Win32」向けのアプリを「Universal Windows Platform」(UWP)アプリに変換するための開発者向けツール「Desktop App Converter」(旧「Project Centennial」)が「Windowsストア」から直接ダウンロードできるようになったと発表した。また同社は、このツールの機能拡張や修正についても同ストアを介して行っていくという。
同社は、Desktop App Converterをより多くの.NET向けやWin32向けのアプリ開発者に使用してもらうことで、「Windows 10」アプリを充実させていきたい考えだ。
同社はまた、「Microsoft Windows Installer」フレームワークを採用したインストーラーを手がける大手企業である、Flexera Software(「InstallShield」)とFireGiant(「WiX」)、Caphyon(「Advanced Installer」)と協力し、開発者がProject Centennialのブリッジ技術を使用することで、既存のデスクトップアプリからアプリのパッケージを直接ビルドできるようにするための作業を進めている。
Windowsストアでは既に、「Evernote」や「Arduino IDE」「doubleTwist」といった複数のWin32アプリの提供が始まっている。またMicrosoftも、Project Centennialのブリッジ技術を利用し、Win32版の「Microsoft Office」スイートをWindowsストア上で提供するための作業を進めている。
Microsoftによると、既存のWin32アプリや.NETアプリ、「Windows Presentation Foundation」(WPF)アプリなどの「クラシックな」アプリの総数は1600万本にのぼるという。これらのアプリは、「Windows 10 Anniversary Update」と、そのソフトウェア開発キットが提供される以前は、Windowsストアを通じた購入やダウンロードが行えなかった。
現時点では、Desktop App Converterが変換できるアプリはPC向けのWin32アプリと.NET 4.6.1アプリのみだが、同社によると将来的には、「Xbox One」や「Microsoft HoloLens」「Windows Phone」「Surface Hub」などの「Windows 10」デバイスすべてを対象にした移植を可能にし、共通のストアで提供できるようにしたいと考えているという。
同社の広報担当者は「Desktop Bridge(Desktop App Converter)はこの最終目標に向けた第1歩だ。このブリッジによって、Win32アプリをUWPアプリに移植するための道が開かれ、開発者がちょっとした修正を施すことで完全なUWPアプリを作り上げて、Surface HubやHoloLens、Windows Phone上で実行させることが可能になる」と述べている。
Centennialは、同社が2015年の開発者向け年次カンファレンス「Build 2015」で発表した4つのブリッジのうちの1つだ。他には「iOS」アプリのブリッジ「Project Islandwood」と、ウェブアプリのブリッジ「Project Westminster」がある(そして「Silverlight」ブリッジという、4つのうちに数えられていないものもある)。なお4つ目となる「Android」アプリのブリッジ「Project Astoria」は2月に開発中止が発表されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。