Teradata PARTNERS

技術からビジネスへフォーカスを移す--テラデータが打ち出す新戦略

鈴木恭子 2016年09月16日 08時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Teradataのユーザー企業が主体となってデータ分析の活用事例を発表する年次コンファレンス「Teradata PARTNERS Conference 2016」を9月11日からジョージア州アトランタで開催した。

 31回目を数える今回のテーマは「Data.Changes.Everything.」。企業がデータ駆動型のビジネスにシフトする状況において、「いかにデータを活用するか」は大きな経営課題となっている。企業の意思決定や業務プロセス改善だけでなく、IoT(Internet of Thing)など、製品から収集できるデータを活用することで、既存ビジネスとはまったく異なる領域のビジネスを展開する企業も増加している。

 Procter&Gamble(P&G)やCoca-Cola、Expedia、LinkedInなど、最先端のデータ活用企業が登壇し、自社の活用事例を紹介している。

Teradata PARTNERS Conference」。今年は世界46カ国から約3000名が参加。オンライン上のバーチャル参加者も約1500名に上ったという。日本からは例年と同じ約40人が参加した
Teradata PARTNERS Conference」。今年は世界46カ国から約3000名が参加。オンライン上のバーチャル参加者も約1500名に上ったという。日本からは例年と同じ約40人が参加した

 9月12日の基調講演では、5月に同社最高経営責任者(CEO)に就任したVictor L. Lund氏や、同社の研究部門であるTeradata Labsでプレジデントを務めるOliver Ratzesberger氏らが登壇。マルチクラウド上で「Teradata Database」が利用できるコンセプト「TERADATA Everywhere」を発表するとともに、今後のビジネスの方向性を「技術フォーカス」から「ビジネス・フォーカス」に軸足を移すと明言した(関連記事)。

顧客体験の向上が企業の成長に直結

 基調講演冒頭に登壇したのは、今回のホステスを務めるInternational Hotels Groupで、グローバル・テクノロジー部門バイスプレジデントを務めるCynthia Czabala氏だ。同グループは、世界100カ国以上でInternational、Holiday Inn、Crowne Plazaなど、複数のブランドホテルを5000軒以上の展開している。

 Czabala氏の部門の命題は、顧客に関するあらゆるデータを分析し、パーソナライズされたサービスを提供することだ。「顧客は“自分だけ”のサービスを求めている。それに応えることが大きな課題であり、競合他社との差別化ポイントになる」(Czabala氏)

今回のホステスを務めたInternational Hotels Groupでグローバル・テクノロジー部門バイスプレジデントを務めるCynthia Czabala氏
今回のホステスを務めたInternational Hotels Groupでグローバル・テクノロジー部門バイスプレジデントを務めるCynthia Czabala氏

 「パーソナライズされたサービスは、ロイヤルカスタマーの育成に大きく貢献し、そのロイヤリティがブランド力を強化する」とCzabala氏は力説する。その戦略の一環として同グループは、IoTを利用したデータ活用にも注力している。

 具体的には、顧客が適温と感じる室内温度をデータ化し、次にホテルを訪れる際には室内を“顧客の適温”に設定したり、前回宿泊時に視聴していたテレビチャンネルを優先的に提示したりするといった具合だ。Czabala氏は「(顧客に関する)多くの知見や洞察の根源となっているのはデータである。われわれがTeradataをビジネスパートナーに選んだ理由は、顧客に優れた体験を提供できるデータ分析ソリューションを有しているからだ」と、Teradataの分析力を評価した。

 続いて登壇したLund氏は、Teradataのビジネスについて、「新たな戦略に移った」と語り、「技術フォーカスから、(顧客のビジネス課題を解決する)ビジネス・フォーカスに軸足を移す」と明言した。

米Teradata最高経営責任者(CEO)のVictor L. Lund(ビクター・L・ランド)氏
米Teradata最高経営責任者(CEO)のVictor L. Lund(ビクター・L・ランド)氏

 Lund氏はこれまでのTeradataのビジネス戦略について、「テラデータが有する技術は揺るぎないものであるし、顧客も(Teradataの)技術を評価している。しかし、技術にフォーカスするあまり、顧客(のビジネス課題)に耳を傾けてこなかった」と総括した。

 その上で「今後はビジネスソリューションの提供にフォーカスする。顧客の課題解決を最優先し、その解決手段をシームレスに提供していく。顧客が求めているのは課題解決であり、ビジネスの成長だ。技術は(課題解決の)手段であり、目的ではない」と、コンサルティングを核とするソリューションビジネスに注力していく姿勢を鮮明に打ち出した。

 Lund氏がもう1つ強調したのは、エコシステムの強化である。同社ではグローバルでのビジネス戦略の1として、「分析エコシステム」を掲げている。同社の分析プラットフォームである「Teradata Aster」は、Hadoop、Cloudera、HortonといったOSSだけでなく、Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)でも利用可能だ。「顧客から信頼できるパートナーであり続けるためには、アーキテクチャエコシステムを確立し、(顧客の環境に応じて)シームレスに技術を提供していくことだ」(同氏)

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]