タブレットの国内出荷台数は、2016年第2四半期(4~6月)に前年同期比5.8%増の179万台となった。IDC Japanが9月14日に発表した。家庭市場向けは前年同期比22.0%増の140万台、ビジネス市場向けは28.3%減の39万台だった。
セグメント別に見ると、家庭市場は、通信事業者向けの出荷を中心としたファーウェイが市場をけん引し、前年同期比でプラス成長となった。一方のビジネス市場は、教育分野での案件がいくつかあったものの、この数四半期と同様で企業がその顧客や生徒に支給する利用形態(Business to Business to Consumer:BtoBtoC)などの大型案件がなかったことや、企業におけるタブレットの需要が低かったことがマイナス成長の主因となった。
形態別に見ると、ハードウェアキーボードが脱着できる「デタッチャブルタブレット」の出荷台数は前年同期比52.5%増の42万台、スレート型である「スレートタブレット」は前年同期比3.3%減の137万台となった。
デタッチャブルタブレットの出荷比率が23.5%となり、タブレット市場の中での存在感を高めつつある。その大きな要因としては「iPad Pro」の登場がある。これまではWindowsタブレットが中心だったが、iPad Proが発売された2015年第4四半期(10~12月)以降は、デタッチャブルタブレットの比率が高まってきている。
ベンダー別で見る出荷台数の上位5社は、(1)アップル、(2)ファーウェイ、(3)NEC Lenovoグループ、(4)京セラ、(5)エイスースの順位となった。アップルの出荷台数は前年同期比9.6%増でiPad Proの出荷と「iPad Air 2」の価格改定により43.8%のシェアを維持している。ファーウェイは通信事業者向けの出荷が好調で前年同期と比べて約7.2倍の出荷台数となった。
同社PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、今後の見通しについて次のようにコメントしている。
「デタッチャブルタブレットは、タブレット市場全体を底支えし市場の4分の1に近づきつつある。またデタッチャブルタブレットは、CPUが高性能化しつつあり、特に家庭市場におけるポータブルPCのプレミアムゾーンを置き換える存在となってきている。今後スマートフォンに慣れた利用者がPCの購入を検討する際、スマートフォンに近い操作性でPCを操作できるデタッチャブルタブレットが選択される可能性が高まっていくだろう」
2016年第2四半期 国内タブレット市場 ベンダー別シェア(出荷台数)(IDC Japan提供)