NEC、自社グループの基幹システムに「SAP HANA」導入--デジタル変革を推進

NO BUDGET

2016-09-16 10:39

 NECは、自社グループの基幹システムにインメモリデータベース「SAP HANA」を導入した。2016年5月から本番稼働を開始している。すでに国内向けシステムが稼働しており、11月を目途に海外拠点向けも含めたグループ全システムを稼働する計画だ。

 これまで、経営のスピードアップと業務効率化を目的に組織や会社ごとに個別最適化されていた販売、経理、購買の業務プロセスを標準化するとともに、基幹業務を支えるITシステムを統合基幹業務システム(ERP)の「SAP ERP」を用いて構築。2010年から国内外のグループ各社にクラウドサービスとして提供している。

 2015年7月からは基幹システムに蓄積される経営ビッグデータのリアルタイム処理、またデジタル経営を支える基盤の獲得を目的として、SAP HANAの導入に向けた社内プロジェクトを実行してきた。

 SAP HANAの基盤には、NECで販売する高可用、高信頼性エンタープライズサーバ「NX7700xシリーズ」やストレージ製品「iStorage」、高可用性クラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO X」、SDN(Software-Defined Networking)対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」を採用。VMware製品による仮想環境を構築。それに加えて、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」やSAP HANA技術に関する運用ノウハウをフル活用することで、短期間での全面的なシステム刷新を図っている。物理サーバ台数を70%削減し、データ量を4分の1に減らすほか、運用自動化によって保守工数などのシステム運用コストを25%削減するとしている。

 また、SAPの新ビジネスアプリケーション群「SAP S/4HANA」を適用するための第1歩として、受注、売上計上、債券消込など日々のオンライン業処理の高速化による生産性向上に加え、グループ各社の処理の高速化によるグループ全体の会計情報の早期把握など経営判断、業務判断のスピードアップを実現する。

 NECでは今後、SAP S/4HANA化の推進や、IoTで得られる情報をはじめ、各現場のさまざまなデータを取り込み、人工知能(AI)により意思決定に必要な経営情報のリアルタイム分析を可能とすることで、さらなる経営判断のスピードアップを実現していくとしている。

NECの目指す経営のデジタルトランスフォーメーション
NECの目指す経営のデジタルトランスフォーメーション(NEC提供)

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