セゾン情報システムズと東海ソフトは9月14日、モノのインターネット(IoT)を活用する製造業のスマートファクトリー化を支援すべく、国内の主要なプログラマブルロジックコントローラ(PLC)に対応したIoT基盤を提供すると発表した。東海ソフトが10月1日から提供を開始し、販売目標は2018年度までに100社を目指す。
現在、製造業において設備本体の予知保全や生産ライン監視による生産性改善や品質向上など、IoTを活用した先進的な取り組みが行なわれ始めている。しかし、その製造業のファクトリーオートメーション(FA)や産業機器をIoT化する上では、「PLCから容易にデータを取得できないこと」「PLCから取得したデータを安全かつ確実にサーバへ転送できないこと」の2点が課題となっている。
FAには横断的に複数メーカーのPLCが存在し、それぞれのメーカーごとに通信手続きが異なるため、専門技術者がいない利用企業にとって、外部機器へのデータ転送は難易度が高い状況にある。またFAから収集したデータには企業機密も含まれることから、サーバへ転送する際に、情報漏えいや改ざん防止などのセキュリティ対策が必要となってくる。
今回の両社の提携は、こうしたFAのIoT化に際しての課題を改善し、迅速かつ低コストでセキュリティ要件も満たしたシステム構築を可能にするためのもの。
システム連携イメージ図
具体的には、東海ソフトのクラウド仮想デバイス「Flex Device」とセゾン情報システムズのIoTデータ転送ソフトウェア「HULFT IoT」の2製品を組み合わせ、IoTデバイスから取得したデータをクラウドに接続し、各デバイスの稼働状況の見える化や遠隔管理を簡単に実現できるソリューションを提供する。
Flex Deviceは、東海ソフトが1970年の創業当時から蓄積しているFA、組込領域の技術をソフトウェア化したクラウドサービスで、インターネットに接続する機器をクラウドから一元管理できることが特徴。国内主要メーカー各社の主なPLC製品のプロトコルをほぼ網羅し、ノンプログラミングでFAデータを収集できる。
一方のHULFT IoTは、金融取引を中心としたミッションクリティカル領域のデータ転送で20年以上、8400社の実績を有するファイル連携ソフトウェア「HULFT」を、IoT領域用に最適化した製品。決済やセキュリティ、機器監視、位置追跡などデータ欠落が許容されない“IoTミッションクリティカル”の領域で、デバイスとクラウドサービス間の安全確実なデータ連携を実現する。