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日本株展望

日銀追加緩和なし、米利上げなしで円高進行

ZDNet Japan Staff

2016-09-23 11:19

今日のポイント

  1. 日銀は今回、追加緩和をしなかった。内容をよく見ると「やや引き締め」の色が出ている。「10年金利をゼロ%程度に維持」の日銀発表を受けて、21日は銀行株が大幅高。
  2. 米FRBは今回、利上げをしなかった。これは事前の市場予想通り。年内利上げの思惑は残るが、来年以降の米金利の先高感は低下。
  3. 日銀追加緩和なし・米利上げなしを受け、円高進行。22日には一時1ドル100.09円をつける。

 これら3点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

21日の日銀発表には、やや引き締め色が出ている

 今回は、量的緩和の拡大も、マイナス金利の深堀りもなかった。その代わり、以下3点が発表された。

(1)イールドカーブ・コントロール

 日銀は、10年長期金利がゼロ%程度になるように、長期国債の買い付けを調整すると発表した。具体的には、10年以上の国債の買い付けを減らし、残存10年未満の国債の買い付けを増やすことになる。中短期金利は引き下げるが、10年以上の金利はプラス圏に置くことを目指すものだ。

 10年以上の超長期金利の引き上げを目指すのは、実質的に金融引き締めの性格を持つ。

(2)年80兆円の債券保有高増加は、目標ではなくメドに格下げ

 これまで、債券保有高を毎年80兆円増やすように債券買い付けることを日銀は目標としてきたが、今回80兆円はメドに格下げした。ここに、将来、債券買い付け額を減らすかもしれない伏線があると考えられる。

 日銀は、イールドカーブ・コントロールにより、10年以上の国債の価格を吊り上げて買い取ることができなくなる。10年国債を買いにくくなる分、残存10年以下の国債を買い増ししなければならなくなる。日銀の大量買い付けで国債市場の流動性は著しく低下してきており、いずれ年80兆円の残高増加【注】を実現できなくなる可能性がある。

 玉不足で債券が買えなくなる時に備え、80兆円を目標からメドに格下げした可能性がある。

 【注】日銀は、債券の保有高が毎年80兆円増えるように債券を買い付けることを目標としてきた。そうするためには、実際の買い付け額は80兆円を超える。保有する国債が償還を迎えると保有高が減少する。償還を迎えた分も買い付けしないと、保有残高は増えない。日銀は、80兆円プラス「保有国債の償還を迎える分」だけ、債券を買い付ける必要がある。

(3)オーバーシュート型コミットメント

 2%の物価目標が達成されても即座に金融緩和をやめず、安定的に2%以上が維持できるまで続けるとした。これは、いつか来る日銀金融政策の出口への不安の払拭を狙ったものと考えられる。さらに、いつも通りだが、さらなる量的緩和の拡大もマイナス金利の深堀りも、選択肢として温存しているとしている。

 日銀は、今回、量・質・金利の追加緩和は行わなかった。むしろ、やや引き締め色を出している。10年以上の金利引き上げを狙い、債券保有高を年80兆円増やす量的緩和を目標から「メド」に格下げしたところに、引き締め色が出ている。

 引き締めととられると円高が進むリスクがあることから、あえてオーバーシュート型コミットメントを新規に導入して、金融緩和の出口の議論が出ることを封じ込めようとしたものと考えられる。

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